世界最高峰のクラブであるバルセロナに、直属のセカンドチームである「バルサB」が存在することは、彼らのファンでなくても知っている話だろうが、今季までこのチームに所属したあるMFにとって、来季は真価が問われることになりそうだ。
彼の名前はビクトル・バスケス。24歳のMFは、カンテラに所属して頃から「バルサの将来を担う天才」と称され、2008年にはトップチームでデビューも飾った。だが、その後は、自身の怪我もあり、ペドロ、ジェフレン、ティアゴ・アルカンタラなど、彼よりも若い力に押される格好で「万年バルサB止まり」に。そして、心機一転を図るべく、彼が決めた移籍先がベルギーのクラブ・ブルッヘであった。
加入が決まった際にはブルッヘの会長が「何としてでも欲しいと思っていた選手を招くことができて幸せだ。我々はバルサのリザーブチームを視察するために何度もスカウトを送っていたからね。フィットするには時間がかかるかもしれないけど、彼が来季のキーマンになることは言うまでもない」とその喜びを語るなど、来季から背番号10を背負う、“元バルサの天才MF”にかかる期待は大きい。その期待度は、ある意味、その将来を嘱望された下部組織時代以上のものであるとも言えるだろう。
一度閉ざされた栄光への扉を再び開けるチャンスが訪れた。一度でも彼のプレーを見たものはその成功を信じたい。
(筆:Qoly編集部 T)