かつてJリーグで指揮をとったブラジル人監督のオズワルド・オリヴェイラ氏とエメルソン・レオン氏が、「外国人の代表監督は好ましくない」と批判するスピーチをしたことで問題となっているようだ。
『Metropoles』によれば、そのスピーチが行われたのは4日に行われたブラジルサッカー連盟主催の指導者フォーラムであったとのこと。
このイベントではブラジルで活動してきた指導者が表彰されることになっており、エメルソン・レオン氏とオズワルド・オリヴェイラ氏も受賞者として登壇したとのことだ。
かつて清水エスパルスやヴェルディ川崎、ヴィッセル神戸などを指揮した経験を持つ名監督エメルソン・レオン氏は、受賞を受けてのスピーチで以下のように話したという。
「私はずっと、自分の国に外国人監督がいるのは好きではないと言ってきた。我慢することはできないとね。その意見は今でも変わっていない。
ただ、この状況においてすべての責任があるのは我々ブラジル人指導者であると言うだけの分別は必要であるとも言える。他の国のプロフェッショナルの流入を許したのは、我々ブラジル人指導者の責任だ」
エメルソン・レオン氏は最後にブラジルサッカー連盟のヴァギネス・マンシーニ氏に「幸運を祈る」と述べ、さらに会場にいた現ブラジル代表監督のカルロ・アンチェロッティ氏にも「あなたにも幸運を祈る」と話したという。
さらにその後、かつて鹿島アントラーズや浦和レッズで指導したオズワルド・オリヴェイラ氏が登壇し、以下のようにコメントを続けたそうだ。
「外国人の指導者は望んでいなかったが、他に選択肢はなかった。もし必要なのであれば、この紳士(アンチェロッティ)にしてほしい、彼であってほしいと願っていた。
そして、彼が世界チャンピオンとしてブラジル代表を去ったあとは、ブラジル人の指導者に来てほしい」
これに対して『Globo』は「傲慢であり無礼だ。外国人コーチの存在に反対する考えを持つ人もいるのは当然であるが、タイミングが悪く、恥ずべき行為であった」と評論した。
なお、カルロ・アンチェロッティ氏はブラジル代表の歴史上4人目の外国人監督で、1925年のラモン・プラテーロ氏(ウルグアイ)、1944年のフラヴィオ・コスタ氏(ポルトガル)、1965年のフィルポ・ヌニェス氏(アルゼンチン)以来60年ぶりの就任であった。
また、ボタフォゴのコーチを務めているカルロ・アンチェロッティ氏の息子ダヴィデ・アンチェロッティは「今や世界中に様々な国籍の指導者がいる時代だ。2025年にする話ではないね」とコメントしたという。