サッカーのみならず、韓国のスポーツ界全体を悩ませている「選手の兵役」に関する問題。
北朝鮮と現在でも予断を許さない「休戦状態」が続く同国では、成人男性に約2年間の兵役義務が課せられている。
スポーツ界においては、選手が身体的に最盛期を迎える20代のうち2年間を兵役に費やされてしまうという点がデメリットとして見なされ、韓国人選手の国外移籍など、キャリア選択の大きな障壁となっている。
そうした中で、兵役中もプロスポーツ選手らが競技を行うことができる環境として知られているのが国軍体育部隊だ。
Kリーグの金泉尚武FCはそのサッカー部門であり、兵役中のプロサッカー選手の多くは同クラブに所属する。
韓国紙『スポーツドン』は27日、金泉尚武に所属するイ・ドンギョンを特集した。現在28歳のイはドイツのシャルケや2部ハンザ・ロストックなど、ドイツでのプレー歴もあることで知られる韓国代表MFで、2024年から兵役義務に就いている。
イは2年間の兵役義務を終え、今季で金泉尚武を退団することが決まっている。しかしながら、除隊3日前に行われた25日の全北現代戦では3-2で逆転勝利したチームの3得点すべてに関与する活躍を見せている。
また、今季は34試合に出場し13得点11アシストと驚異的な活躍を残しており、リーグ得点王、リーグMVPなどのタイトルを受賞する可能性も低くない。
多くの韓国人選手にとって、「キャリアの無駄」であると考えられがちな兵役義務。しかし、イは兵役期間を通じサッカー選手として大きく飛躍するきっかけを作った。
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イは28日に「予備役兵長」という身分になり、2024年までの所属元である蔚山HDに復帰する。今季不振にあえぐ蔚山を救い、海外再挑戦に向けたイの挑戦に今後も注目だ。