昨月、イングランドのチチェスター・シティFCに所属する21歳のビリー・ヴィガーが、試合中にピッチサイドの壁に激突したことで脳損傷を負い、死亡する事件が発生した。
同選手はアーセナルユースにも所属歴のある将来有望な選手であり、その死は英国サッカー界に衝撃をもって受け止められた。
そうした中、名門マンチェスター・ユナイテッドの本拠地であるオールド・トラッフォードでは、スタジアムの改修を求める動きが高まっているという。
イギリス紙『The Sun』は15日、ユナイテッドがオールド・トラッフォードの改修を検討していると報じた。
ことの発端はユナイテッドのファンフォーラムにおいて、サポーターから「プレミアリーグ全体で選手が猛スピードでスタジアム内の看板等に激突し負傷する事例が多発している」と指摘されたこと。
また、サポーターはヴィガーのような悲劇が再発しないように、ピッチサイドの設置物を透明で柔らかい素材で覆うかどうかをクラブに質問した。
これに対して、ユナイテッドの広報担当者は「全選手の健康と福祉が最も重要です。このリスクを調査し、適切な措置を講じます」と回答。また、オールド・トラッフォードでは過去にピッチサイドの看板に激突して選手が負傷する事例が実際にあったという。
イングランドでは事件以降、競技場の周囲にレンガの壁を設置することを禁止するよう求める請願書が4,000以上の署名を集め、前述のチチェスター・シティをはじめ様々なクラブがスタジアムの改修に向けて動き出している。選手の安全を守るための取り組みを今後も見守っていきたい。