仙台内定FW中田は先輩たちのために
後半11分から投入された身長189センチの長身ストライカー中田は、ゴール前でのポストプレーで起点を作ろうと奔走した。
セットプレーでは体格を生かした空中戦で違いを生み出そうとするも、ほしいポイントにボールは来なかった。
「自分が出ていない前半からほとんど相手に怖さを出させないままいい状態でいっていた。勝てそうな試合だっただけに、本当に悔しい気持ちですね」と唇を噛んだ。
今年3月17日にアカデミー時代に所属していた仙台への2027年加入内定と特別指定選手承認が発表され、6月15日に開催されたJ2第19節モンテディオ山形とのみちのくダービーでプロデビューを果たした。
既にリーグ戦5試合に出場しており、徐々に出場時間を伸ばしている。この日試合があった七ヶ浜町は2022年から仙台のホームタウンに追加され、仙台サポーターも中田のプレーを一目見ようと会場に訪れていた。
「宮城開催ということで、たくさんの仙台サポーターの方々が気にかけてくれているので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝しつつも、「仙台の活動に参加させてもらっているので、まずは違いを見せなきゃいけないという思いで臨みました。その上でチームを勝たせなきゃいけないというのは、絶対条件だっただけに、何も仕事ができず、ふがいないという気持ちです」と肩を落とした。
プロ内定者として違いを生みだせなかった悔しさは、今後のリーグ戦や全日本大学選手権(インカレ)にぶつける。
そして、まだ進路が決まっていない先輩選手たちのためにも身を粉にしてチームのために奮闘する覚悟だ。
「自分はもう進路が決まっていますけど、うちにはたくさんいい選手がいっぱいいて、みんな自分と同じようにプロ入りを目指して頑張っています。その基準を知っている身としては、そういった目指している選手たちに伝えていかなきゃいけない部分があると思います。プレー中だけじゃなくて、ピッチ外の部分であったり、そういうところもチームメートにいい影響を与えられるような振る舞いを取っていかないいけないと思います
きょうは負けちゃいましたけど、去年優勝までして勝ち続けないと、チャンスは広がってこないと思う。本当にきょうは悔しいです。まだインカレもありますし、リーグ戦も残っていますので、(進路未定の先輩たちの)アピールの場を増やすために、一つ、一つ、頑張っていきたいと思います」と言葉に力を込めた。
西芳照シェフが語るラグビー日本代表とサッカー日本代表の食事・文化の違い
地元で悔しい結果に終わってしまった仙台アカデミーOBたちは、既に前を向いている。遠い大阪の地で競技に励む青年たちは、夢を実現させるためにさらなる成長をとげて冬のインカレで雪辱を果たす。
(取材・文・撮影 宇田春一)
【Qolyインタビュー】「いつか恩返しを」大宮トップチーム昇格後にアメリカの大学へ…マーシャル大MF種田陽が見据える未来とは