2026FIFAワールドカップ(W杯)アジア予選で、圧倒的な実力を見せつけて本大会出場を決めた日本代表。ただ次の2030年大会の予選では新たなライバルが出現するかもしれない。
新たなライバルとは、未だW杯に出場した経験がないFIFAランキング127位のインド代表だ。
同国の複数メディアは、インドのパスポートを持つ海外市民選手(OCI)およびインドにルーツを持つ外国人選手(PIO)が近い将来、インド代表でプレーできるようになる可能性を報じた。
インドのスポーツ省は2008年に「OCI・PIO選手の国際大会でのインド代表資格を認めない」と決定(2010年施行)。
以降は同国のパスポートおよび市民権を持つ選手のみがサッカーを含むスポーツのインド代表チームに選出される権利を有していた。これにより、多くのインド系有望選手の代表への道が閉ざされていた。
これまで、OCI・PIO選手の招集について度々議論されていた。2023年にスコットランド1部ハーツに所属するインド系イングランド人MFヤン・ダンダが「インドは多重国籍を認めていない点が大きな問題だ」と発言したことが発端となり、多くのインド系選手らが賛同した。
イングランド2部ブラックバーンDFダニー・バスも祖国の代表チームでのプレーを希望している。
全インドサッカー連盟(AIFF)のカリヤーン・チョーベー会長は「ここ18カ月、スポーツ省との間で何度も会談を重ねています。OCI・PIO選手が近いうちにインド代表でプレーする日が来ると期待しています」と、話し合いが前向きに進展していると報告した。
『Transfermarkt』によると、イングランドのプロリーグに該当するトップ4カテゴリーには、2511人のインド系選手が所属している。
AIFFはすでにイングランドでプレーする33人のインド系選手と接触しており、今後もその人数は増えると見られる。インドネシア代表がオランダ出身の選手を多く招集するようになった事例と同様に、インド代表が“イングランド代表Bチーム”に変貌するかもしれない。
世界一の人口14億人を抱えるインド。もしAIFFが推進する帰化計画が実現すれば、日本やほかのアジア諸国の新たな脅威になることは間違いない。