AFC U17アジアカップで準々決勝敗退となったものの、U-17W杯への出場権は確保したU-17日本代表。

今大会のメンバーに選ばれた谷大地は、韓国でも話題になった。

16歳の彼はサガン鳥栖に所属するFW。父親は韓国の人気歌手キム・ジョンミンさん、母親は元アイドル歌手の谷ルミコさんと日韓のルーツを持っている。

彼は韓国でサッカーを始め、2023年までKリーグ傘下クラブでプレーしていたが、2年前に日本に留学し、現在は日本のJ2サガン鳥栖U-18でプレーしている。

そうしたなか、韓国の『Sisa Journal』は、こう伝えていた。

「まだ高校生の選手たちが競争する17歳以下の大会で、谷大地は特別な背景が注目された。

2008年生まれの彼は1990年代を代表する人気歌手キム・ジョンミン氏の次男だ。韓国名キム・ドユン、現在は日本名の谷大地となっている。大地は中学校卒業直後、兄と一緒に日本に渡ったという。

韓国で年齢別代表を経たキム・ドユンが兵役問題を回避するために日本を選んだという噂から、祖国を捨てたという刺激的な記事タイトルまで出た。

これに対してキム・ジョンミン氏は『事実と全く違う話だ。韓国年齢別代表として選抜されたことがない。以前から日本にサッカー留学を行こうとしたが、新型コロナのために延期されていた』と反論した。

つまり、彼に代表入りの機会を与えたのは韓国ではなく、日本だったのだ。

国内ユースサッカー関係者は、『ドユンはソウルでの小学校時代から才能ある選手として注目されていた。だからこそ、韓国最高のユースチームに昇格できた。成長期には病気を患っていたが、国内のコーチ陣は彼の実力を認めてくれなかった。他の友人たちが出場する13~15歳の代表チームに出場できず、家族はきっと悔しい思いをしただろう。彼は新たなチャンスを求めて日本への留学を決意したと聞いている』と語った。

J2のサガン鳥栖は、人口約7万5000人の佐賀県鳥栖市を本拠地としているため、財政面や観客動員数では上位には入らない。しかし、競争力強化のための体制強化やユース育成への積極的な投資を行ってきた。2023年にバイエルン・ミュンヘンに移籍して話題を呼んだ福井太智は、サガン鳥栖のユースシステムが生んだ逸材だ。

日韓の特別な関係、そして何よりもサッカーというプライドをかけた競争によって、谷大地は試合以外でも注目を集めることになった。しかし、その特殊性を抜きにして考えれば、それは当然の出来事と言えるだろう。

多くの選手が、成長のためのインフラや教育システムが優れているヨーロッパ、南米、そして日本に留学する。大地の場合は、多重国籍という事情から、年代別日本代表に選出された。

ある選手は機会を得るために韓国を離れて日本に向かうが、他の選手は米国やヨーロッパを離れて韓国に来たいと思うだろう。キム・ドユンあるいは谷を見る視線も韓国と日本の関係に埋没するより、よりいい機会を求めたい才能ある選手の悩みとしてとらえるべきだ」

韓国から日本への留学は、環境面を考えれば不思議ではないとのこと。

帰化して日本代表になった7名

なお、韓国サッカー協会は、韓国とドイツにルーツを持つU-21ドイツ代表イェンス・カストロプを含めて多重国籍選手への注視を強化するとも伝えられている。

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