三笘薫が活躍するブライトンの女子チームに清家貴子も所属している。

『BBC』によれば、ブライトンは2027~28年までに女子チーム専用の新スタジアムを建設したいと考えており、その施設を最高のものにするためにポール・バーバーCEOはあらゆる科学的研究を検討しているという。

近年、女子サッカーでは多くの怪我が発生しているが、男子選手向けに設計されたピッチのサーフェイスが女子選手にも適しているかどうかを調べることも研究課題のひとつだそう。

ブライトンの女子チームが使用するブロードフィールド・スタジアムは、英女子トップリーグでも数少ない天然芝のピッチを採用しているが、ほかのクラブはハイブリッドのピッチが大多数。

これは本物の芝が生える人工マットのようなもので、男子プレミアリーグのクラブでも主に採用されている。アーセナル、アストン・ヴィラ、レスターの女子チームは男子チームのスタジアムをメインに使用。昨季男子チームのスタジアムで試合をしなかった女子チームはウェストハムだけだった。

スポーツ用サーフェスの開発に携わる企業の主任コンサルタントは、女性サッカー選手と特定のピッチにおける怪我のリスク増加に関連性があるかを調べるには、さらなる研究が必要だと認めた。

「男子サッカーと女子サッカーに分けられたことはない。我々は常にサッカー場を設計してきた。

男子や女子の試合での怪我について考えると、トレーニング負荷、睡眠、生理、ホルモンなど、多くの要因が関係している。

ピッチは要因のひとつ。歴史的に、女子と男子の試合では安全でないピッチがあった。現代の試合ではそうではない。特にプレミアリーグでは、ピッチの質は並外れており、グラウンド担当チームは非常に優秀。何らかの関連があるかどうかを確認するには、さらに調査が必要だ。

アーセナル女子チームはエミレーツ・スタジアムで多くの試合をこなしており、グラウンド担当チームは男子チームとまったく同じ高い水準でピッチを整備している。しかし、男子チームでも女子チームでも、ピッチで試合を多くこなせばこなすほど、ピッチの消耗が激しくなり、質にも影響が及ぶ。使用頻度が高ければ、メンテナンスも必要になる。それが要因だ」

また、前十字靭帯断裂を経験している元イングランド女子代表クレア・ラファティーは、こう語っている。

「私たちはゲーム全体のレベルを向上させようとしているので、唯一の制限は、女性専用のピッチだと参入障壁が高くなるのではないかということ。草の根レベルで考えると、(女子サッカーへの)アクセスを制限することになるか?そうなので、調査が必要。

理想は芝生のピッチ。芝の長さを詳しく調べると、それも影響する可能性がある。芝が長すぎると、スパイクが引っかかったり、接触がないところで怪我をしたりするリスクがある。ただ、芝が短すぎて乾燥していても、バランスが取れなくなる」

一方、元スコットランド女子代表ジェン・ビーティーは、男女でピッチのサーフェイスを変えるべきという議論にはやや否定的。

「ひとつを特定するのは難しいが、男女を分けて別のピッチでプレーすることは、より重要だと思う他のことに目を向けるよりも試合をさらに隔ててしまうだけだと思う。

前十字靭帯について言えば、それはより多くのコンディショニングと身体能力から来る。女性の健康についてもっと研究する必要がある。優先すべきは、別のピッチでプレーすることよりも、それを見ること。それが論理的にどう機能するかは全く分からない」

女子サッカー選手は前十字靭帯の怪我が男子選手よりも多いとされている。

信じられないような怪我で離脱したスター10名

同じく前十字靭帯断裂経験者の元イングランド女子代表エレン・ホワイトは「女性に特化した研究がもっと必要。女性は出産で腰の作りが少し違っていたり、生理中で靭帯が少し緩んでいたりする。しかし、特定の動きが起こる正確な理由や、膝の周りの筋肉を助けるための筋力トレーニングやコンディショニングをさらに研究する必要がある」と話しているとのこと。

【厳選Qoly】あの意外なスター選手が!プレミアで「最も足が遅い」5名の選手