[J2第8節、ジェフユナイテッド千葉 2-1 水戸ホーリーホック、4月5日、千葉・フクダ電子アリーナ]
千葉は2-1で水戸に勝利し、7勝1敗でリーグ首位をキープした。
MF品田愛斗(まなと)は1-1で迎えた後半17分から途中出場。相手に押し込まれる状況での投入だったが、ボランチの位置からゲームをコントロールしようと奮闘した。すると流れは千葉に傾き、同32分にはFW田中和樹が決勝点を挙げ、公式戦3試合ぶりの白星を飾った。
今季完全移籍の背番号44が抱く葛藤
「このチームに来れて良かった」と、品田は嚙み締めるように言った。
今季より育成年代を過ごしたJ1のFC東京から完全移籍で千葉に加入。昨季はリーグ戦24試合(先発18試合、途中出場6試合)3アシストを記録し、後半戦の躍進を支えたが、今季はここまで出場したリーグ戦7試合中3試合(1アシスト)が途中出場となっていた。
「改めて思いますけど、途中から出ると別競技だと思います。(先発出場と比べて)疲労感は別物で、90分間やったのと同じくらいの疲労があります。試合に出続けている方がコンディションは良くなるので、サブでいることが意外と一番難しいことなんだと思いました」と苦労を明かした。
小林慶行(よしゆき)監督は選手全員にハードワークを求める指揮官だ。長短を組み合わせたパスでゲームを作る技巧派タイプの品田も例外ではなく、いざ出場したとしても自分の良さを押し殺したプレーをしなければいけない試合もあった。
開幕4連勝を飾ったJ2第4節の北海道コンサドーレ札幌戦(3○1)では2-1の場面から途中出場。押し込まれていた状況で投入された背番号44は守備に翻ろうされ、持ち前のパスセンスを発揮できず。チームの勝利を第一に考え、セーフティな選択をし続けた。
品田は「勝つためにプレーするのが前提の中で、自分の良さをどう出していくのか」と、チームの勝利と個人としてのアピールを両立させる難しさを感じていた。
「意識的にチームの練習以外でも乳酸の溜まるトレーニングをやっています」と、自らの課題として挙げていた「強度」のレベルアップに努めているが、「正直、やりたくない気持ちの方が強い。そこを葛藤しながらやり続けることが、一番つらい部分です」と素直な思いを吐露。スタメン奪取のため、身を粉にしてハードワークし続けている。
25歳にとって試練の日々が続いているが、「この年齢になっても、自分のストロングではないところに取り組めているのは、うれしいことです」と秘めた想いを力強く打ち明けた。