2025年初戦となったホーム連戦の3月シリーズにおいて、世界最速での2026年ワールドカップ出場を決めた日本代表。

しかし2-0勝利のバーレーン戦から中4日で行われたサウジアラビア戦では、「引き分けでOK」と割り切った相手を攻めあぐねスコアレスドローに終わっている。

そんな2試合を経て、チーム内での立ち位置が変わりつつあることがうかがえた主力3選手を紹介する。

板倉滉

冨安健洋の長期離脱が続く日本代表。3月シリーズでは町田浩樹も怪我で招集外となったが(クラブでは復帰済み)、伊藤洋輝がその穴をきっちり埋めてみせた(残念ながら代表活動後、再び中足骨骨折により離脱)。

そうしたなかで、4バックに加え3バック、しかも右と中央をこなすことができる板倉滉への依存度は必然的に高まっている。

谷口彰悟がアキレス腱断裂で不参加となった直後の前回11月シリーズではやや不安定さものぞかせたが、今回はDFリーダーとしてきっちりゲームをコントロール。高井幸大という同じ川崎フロンターレ出身の若きタレントの持ち味も存分に発揮させていた。

アジアカップでの圧巻のパフォーマンスを考えても、冨安が本来DFだけでなくチーム全体を引っ張るべき立ち位置。ただ、怪我の多さから楽観的な見通しがなかなか立てられない現状において、板倉が絶対的な存在となりつつある。

伊東純也

前回のカタールワールドカップ最終予選では、4試合連続ゴールを決めるなど日本代表を本大会へ導く活躍を見せた伊東純也。

ただ、今回の最終予選ではここまで全8試合に出場しているものの、先発は昨年11月のアウェイ中国戦のみ(小川航基の2ゴールなどで3-1勝利)。ゴールも昨年9月、7-0で大勝したホーム中国戦での1ゴールにとどまっている。

また今回の3月シリーズ、2戦目のサウジ戦で0-0の62分から途中出場した際、堂安律とともに菅原由勢と久保建英に代わり投入されながら、右ウィングバックを務めたのは本来レギュラーの堂安ではなく伊東。堂安が一つ前のシャドーで攻撃的な役割を担っている。

相変わらず代表チームに欠かせない戦力となってはいるものの、以前に比べ限定的な使われ方が目立っている伊東。クラブでもチーム状態のせいか以前ほど結果を残せていない点も気になるところだ。