男子日本代表は17日、千葉県千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドでFIFAワールドカップ(W杯)2026アジア最終予選(3次予選)の第7節バーレーン代表戦(20日、埼玉スタジアム2002)に向けたトレーニングを室内で行った。
ここまで5勝1分けのサムライブルーは勝てば8大会連続8度目のW杯出場が決まる(引き分けでも他会場の結果次第では突破)中、初日となったこの日は16選手が参加。今季より、名門バイエルン・ミュンヘン(ブンデスリーガ)へ移籍したDF伊藤洋輝(ひろき)が勝者のメンタリティについて語った。
圧倒して勝利する重要性を学んだドイツの名門での日々
3シーズンを過ごしたシュトゥットガルト(ブンデスリーガ)から、昨夏にバイエルンへ移籍した伊藤洋。子どものころからの憧れであった名門でのプレーやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場をかなえた25歳だが、ここまでの道のりは平坦ではなかった。
昨年7月のプレシーズンマッチで右足中足骨を骨折し長期離脱。約7カ月にも及ぶリハビリ生活を乗り越え、先月13日に行われたセルティック(スコットランド1部)とのCLプレーオフのファーストレグで復帰を果たした。
「1回目のオペ(手術)をした後、うまくいかなかった部分がありました。それでも過去を振り返らずに、前だけを見てやってきた。チームが焦らせずに戻してくれたので、無事に復帰できてここまで来られました」とクラブへの感謝を口にした。
バイエルンでは左サイドバックを主戦場に、ここまで公式戦7試合に出場し1得点を記録。ディフェンダーとして、プレミアリーグのマンチェスター・シティなどで活躍した元ベルギー代表ヴァンサン・コンパニ監督をはじめ、ワールドクラスの選手たちが集まる名門での日々は伊藤の意識に変化を与えている。
「(バイエルンは)ファンを含めて、勝つだけではなくて勝ち方を常に求められているクラブ。勝つことが当たり前ですし、特に国内のリーグ戦では圧倒して勝つという部分が常に求められている。そこが他のクラブとの違いだと思います」と勝者のメンタリティを学んだ。
その考えは自らが招集された日本代表でも同じだという。伊藤はケガなどの影響もあり、今回がアジア最終予選初参加となっている。チームメイトたちがつかみ取ったW杯出場へのチャンスを前に、“勝ち方”の重要性について強調した。
「これまでの最終戦をテレビで観ていましたが、厳しい戦いがずっと続いていたと思う。今回はバーレーン戦で(ワールドカップ出場を)決められればいいと思いますけど、その上で圧倒して勝つことによって、自分たちの目指している部分がより明確になってくると思う。まずはアジアを圧倒して勝てるようにやっていきたいと思います」
森保一監督率いる日本代表は3月20日の午後7時35分から埼玉スタジアム2002でバーレーン代表と戦う。W杯出場を決めれば日本代表史上最速でアジア最終予選を突破となる。
「圧倒して勝つ」と意気込んだ伊藤はバイエルンでの日々をサムライブルーに還元し、バーレーン代表を寄せ付けない覇者のプレーを披露してみせる。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 ⓒJFA)