J2開幕戦が15日に全国各地で行われ、NACK5スタジアム大宮ではRB大宮アルディージャがモンテディオ山形を2-1で下した。

この試合にはレッドブル・グローバルサッカー部門の責任者を務めるユルゲン・クロップ氏が来場。プレミアリーグのリヴァプールでは、日本代表MF南野拓実やMF遠藤航らを指導し、数々のタイトル獲得に貢献してきた世界的名将の姿を一目見ようとリヴァプールのファンも駆けつけた。

始球式に登場したユルゲン・クロップ氏(左)と原博実社長(右)

リヴァプールサポーターだと話す20代男性二人組は「めちゃくちゃ興奮しました」と、クロップ氏と原博実(ひろみ)社長が行った始球式に胸を躍らせた。

昨季J3で優勝し、2年ぶりのJ2復帰となった大宮。長澤徹監督はレッドブル体制として臨んだ初陣について「(2023シーズン)21位でJ2を落ちて、戻ってきただけだ」と息を巻いた。

商店街の看板や自動販売機がRB大宮カラーになるなど、街全体でこの日を盛り上げた。試合前にはスタジアム周辺をレッドブルの宣伝カーが列をなし、チームバスもレッドブル仕様になるなど力の入れようが伺えた。

大宮は昨季J2を4位でフィニッシュした山形と熱戦を繰り広げた。互いに譲らないまま0-0で後半へ突入すると、同7分に先制。その後1得点を返されるも、FW藤井一志(かずし)が後半52分に左足で押し込んだゴールが決勝点となり、新体制としての門出をホームで祝った。

試合後、長澤監督は「自分たちの立ち位置は決まっていて、ボールを持ってポゼッションをしまくるわけではなく、ドン引きでカウンターを狙うわけでもない。われわれはRBなのでボールを奪いに行って、必要であれば早く攻めるし、必要であればしっかりとボールをにぎる第3の立ち位置を構築する」と強調。豊富な運動量を武器にした大宮が、Jリーグに新たな風を吹かす。

RB大宮アルディージャのチームバス

リヴァプールファンの二人は「正直、(自分たちは)大宮のサポーターではないですし、クロップ目当てでした。でも、前に(大宮の試合を)観たときよりも、フィジカルとスピードが露骨に違った印象で、すごく楽しめました」と目を輝かせた。

なお、大宮のクラブ関係者によるとクロップ氏の今後の来場は未定のようだ。それでも「クロップが来てくれたことで大宮とは縁ができたので、間違いなく気にしちゃいますね。観に来ることも増えると思います」と大宮サポーターになり始めていると笑顔で話した。

リヴァプールサポーターの二人はクロップ氏を出待ちするも、その場には現れなかった。

 クラブがJ2在籍時に行ったNACK5スタジアム大宮での観客動員数が史上最多の1万3418人となり、多くのファンがRB大宮アルディージャとしての初陣を見届けた。

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指揮官は「RBもサポートはしてくれますが、それはアシストやヘルプではありません。われわれの姿勢に対して、サポートするという強い言葉をいただいているので、われわれ次第。J2が始まりましたが、引き続きしっかりと戦っていきたい」とレッドブルとともに見せるこれからの快進撃に注目が集まる。

(取材・文・写真 浅野凜太郎)

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