大会から試合の結果を受けて敗北することは通常の経過であるが、参加自体を禁止されるというのはなかなか起こらないものだ。しかし管理上のミスや政治的な理由によって、そのような処罰を受けることもしばしば起こっている。

今回は『FourFourTwo』から「サッカーの大きな大会で起こってきた注目すべき失格処分」をご紹介する。

イングランドのクラブすべて

失格になった大会:UEFAの大会すべて

期間:1985~1991年

1985年に行われたブリュッセルでのヨーロッパカップ決勝。リヴァプールとユヴェントスが戦った試合の途中、ヘイゼル・スタジアムでファンによる暴動が発生した。

リヴァプールのファンがユヴェントス側を襲撃し、この騒動から逃れようとした観客が将棋倒しとなった。39名が死亡する大惨事となり、イングランドのすべてのクラブに5年間、リヴァプールには10年間の欧州カップ戦出場停止の処分が言い渡されている。

当時イングランドのみならず欧州ではいわゆる「フーリガン」の国際化が問題になっており、この事件はサッカー界全体で暴動への対策を強化する契機になった。

バーンズリー

失格になった大会:FAカップ

期間:2023年

出場資格のない選手を起用したことで失格になるのは特別貴重なケースではないのだが、プロクラブがそのようなミスを犯すことは珍しい。

バーンズリーは1回戦の再試合でエイデン・マーシュというストライカーを起用したが、その前に彼が貸し出されていた他のクラブでFAカップに出場していたため、規約違反で大会から追い出されてしまった。

後にクラブは「このようなミスは我々のような立場のクラブにとって全く考えられないようなもので、基準を大きく下回ってしまった」と声明を発表している。

ベシクタシュとフェネルバフチェ

失格になった大会:UEFAの全大会

期間:2013~2015年

トルコの「ビッグ3」の一つであるベシクタシュとフェネルバフチェは、国内での八百長行為に関与した疑いによってUEFAから出場停止処分を受けている。

彼らはスポーツ仲裁裁判所にこの判決を不服として訴えを起こしたものの却下されてしまい、ベシクタシュは1年間、フェネルバフチェは2年間の出場停止処分が言い渡された。

チリ代表

失格になった大会:FIFAワールドカップ

期間:1994年

1989年に発生した「マラカナン・スキャンダル」。ワールドカップ予選でブラジルと対戦したチリ代表は、突破のために勝利が必要であったため、なりふり構わずの戦いを行った。

ゴールキーパーのロベルト・ロハスはピッチに投げ入れれた発炎筒で負傷したふりをして倒れ、隠し持っていた剃刀で自分を切りつけ、怪我をしたことを装った。

これによって試合は中止になったが、カメラマンの写真によってロハスの行為が発覚。彼は永久追放となり、試合はブラジルの不戦勝に。チリ代表も大会から追放されることになった。