ポルトガル代表としてUEFAネーションズリーグにも出場したルベン・セメド。
30歳の彼は何度も逮捕歴を持つ問題児として知られている選手だ。
ディスコの駐車場でファンを襲撃したり、ナイトクラブのオーナーを銃で脅迫したりして逮捕されたことがある。
ビジャレアル時代の2018年には誘拐強盗事件に関与したとして逮捕され、監禁及び殺人未遂などのため身柄を拘束。5ヶ月間を檻の中で過ごしたあと、保釈されてプレーに復帰。その後、罪を認めた彼は罰金を科されたうえ、スペインへの入国が8年間禁止された。また、2021年には17歳少女への性的暴行容疑で逮捕されている。
2022年からカタールでプレーしているセメドが『Marca』のインタビューで様々な話題を語った。
複雑な環境で育った彼は、15歳の時に遠征費を用意できなかったため、サッカーをやめて歌手にでもなるつもりだったそう。
ストリートで育った彼は、その後、サッカー選手として成功。ただ、収入が10倍に跳ね上がるなか、すり寄ってきた人間とともに”道”を迷ってしまったとのこと。
いつも逃げ道を探していた彼は、パーティー通いをするうちによくない連中と知り合いになったそうで、「何も後悔していないが、間違いを犯したことは確か。他の人が学ぶのに役立つことを願う」、「そういう環境にいる人間の多くは、それで生計を立てている。やつらは寄生虫であり、他人を利用する。善人と悪人の区別がつかなかったのが自分の間違いだった」とのこと。
刑務所暮らしは初日から恐怖だったそうで、すべてを言い表すことはできないとも語っている。ただ、獄中生活で最も恋しかったのは、サッカーではなく、Netflixを見たり、家族や愛する人と一緒に過ごせないことだったとか。
獄中でもスポーツで体を動かしていたものの、脂肪が多い食事だったために、出所時は体重が106キロになっており、お腹もぽっこりしていたそう(身長191cmで現在は89キロ)。
「一番傷ついたのは、家族が泣いているのを見ることだった」というセメドは、若い選手のナイトライフについて、「時間はあるんだから、焦る必要はない。一度にすべてをやろうとしないこと、それが一番の間違いだ。自分のやりたいこと、一番大切なことに集中する。自分にとってそれは家族」というアドバイスをしている。