日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する『JPFAトライアウト』が11日、12日に開催された。今季契約満了を言い渡されたJリーガーたちがピッチ上でスカウトにアピールした。

今季J1名古屋グランパスとの契約が満了となったDF成瀬竣平は、シーズン途中から育成型期限付き移籍で加入したV・ファーレン長崎(J2)と再戦する目標を明かした。

「24歳とはいえ若くない」

およそ25分間行われた紅白戦では右サイドバックで存在感を見せた。急造チームの中で攻撃を組み立てる役割を担いつつ、持ち前の明るいキャラクターで仲間を鼓舞。サッカーへの熱い想いから、トライアウト参加を決意した。

「24歳(取材時は23歳)とはいえ若くはないので…。上を見ると悲観的になってしまう部分もありますが、自分自身の『まだまだサッカーをやりたい』という気持ちから行動を起こしました」

13歳からグランパスで育ち、今年で12年目を迎えていた。同期の日本代表DF菅原由勢(ゆきなり、プレミアリーグ・サウサンプトン)らとともに切磋琢磨し、赤色のシャツを着て活躍する未来を夢見た。

名古屋では通算公式戦63試合に出場したが、2022年を皮切りに育成型期限付き移籍を繰り返し、今季は長崎を修行の地としたが、定位置確保とはならなかった。

「(自分は)試合に出られなくて、出ている選手を見ていてすごく悔しい気持ちを持ちました。自分が一緒にやってきた選手たちはフル代表や海外でやっていたり、同期の選手も頑張っている。立場は違いますが、刺激をもらっていますし、自分も負けていられない。諦めずにやっていきたいと思いました」と複雑な心境の中で前を向こうとしている。

長崎では2018年以来のJ1復帰を目指すチームの一員として戦った。およそ半年間ともに汗を流し、一致団結して目標へ突き進んだクラブに愛情が芽生えている。

今季途中には新しく『PEACE STADIUM Connected by SoftBank』が完成した長崎。「どうしても長崎と来年、試合がしたい」と豪華絢爛なスタジアムでプレーできなかった悔しさを、次の舞台でぶつける。

「周りに矢印を向けてしまうこともありました。それでも課題として(自分には)明確なものがあるので、そこを克服しながらやっていきたいです」と客観的に自分自身を見つめ直した1年間だった。

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「(改善するべき点は)企業秘密です」と笑っていたが、胸の奥ではメラメラと燃えるものがある。成瀬は虎視眈々と、次の舞台で闘う準備を進めている。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 浅野凜太郎、高橋アオ)

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