イングランド1部マンチェスターユナイテッドは、今月8日のユナイテッド対エバートン戦でLGBTQ+(性的マイノリティ)コミュニティを支援する意思表示を行うユニフォームの着用を企画していた。
しかしながら、アメリカ紙『The Athretic』によると、同クラブのモロッコ代表DFヌサイル・マズラウィがこのユニフォームの着用を拒否したため、この計画は中止になったようだ。マズラウィの母国モロッコはイスラム教を国教としており、彼が敬虔なイスラム教徒であることはサッカー界でもよく知られている。
イスラム教の聖典であるクルアーンやハディース(預言者ムハンマドの伝承集)において、同性愛は神(アッラー)によって禁じられており、イスラム教圏で同性愛は厳しい処罰の対象となっている。
同メディアの報道に対し、ユナイテッドは「マンチェスター・ユナイテッドはLGBTQ+コミュニティのメンバーを含むあらゆる背景を持つファンを歓迎し、多様性と包括性の原則に強く取り組んでいます。私たちはレインボーデビルズサポーターズクラブへの支援や、LGBTQ+ファンを称え、あらゆる形態の差別と闘うキャンペーンなど、さまざまな活動を通じてこれらの原則を実践しています。
我々はマズラウィが自分の意見を持つ権利を尊重しますが、同時に、彼がチームの他の選手たちにジャケットを着られないと感じさせるような状況に陥らせたことに失望しています。また、この事件がクラブで性的指向に悩んでいる選手たちにどのような悪影響を及ぼすのかを懸念してます」と語り、マズラウィの信教の自由は尊重するとしながらも、その判断に失望を隠せないようだ。
また、同クラブの最大手スポンサーでありユニフォームサプライヤーであるドイツのスポーツ用品メーカー・アディダスも、マズラウィのこの選択に大きく失望していると匿名の情報筋からタレコミがあったと『The Athretic』は報じている。
マズラウィは以前にも、イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル攻撃を支持する投稿を行い、当時の所属クラブであるバイエルンとトラブルになったことがある。多様な価値観が重視される近年の欧州サッカー界だが、イスラム教徒の価値観に関してはあまり尊重されていないようだ。
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