アトレチコ・ミネイロとの同国対決を制して、クラブ史上初となるコパ・リベルタドーレス優勝を果たしたボタフォゴ。
30日に行われた南米最強チームを決める決戦に3-1で勝利した。
後半アディショナルタイムに試合を決定づける値千金のゴールを決めたのは、ジュニオール・サントス。30歳のブラジル人FWである彼はJリーグでプレーしたこともあり、当サイトでもインタビューさせてもらったことがある。
そのジュニオール・サントスはゴールを決めた直後に思わず感極まっていた。
『Globo』や『ESPN』によれば、彼は試合後のインタビューで涙ながら2021年に亡くなった父への思いを口にしていたそう。脳卒中を患った父は記憶を失ってしまい、息子がプロとして活躍する姿も見れなかったという。
「父と母、家族に捧げたい。父は僕の試合を見ることをできても、記憶を失っていた。とてもつらいことだった。
自分はとても反抗的な若者で、子供の頃は父のアドバイスに従わなかった。それをとても後悔している。
最高の瞬間に父はもうここにいないが、どこにいても僕がどんな人間になったかを見てくれている。どこにいても、父は僕を見ている。父は今日の僕の姿を見ている。これを父に捧げたい。息子がリベルタドーレスで優勝するのを見ることができるように」
ジュニオール・サントスはプロになったのが23歳という遅咲き。
20歳のとき清掃員として働き始め、叔父の下でレンガ職人の助手を務めながら、アマチュアサッカーでプレーを続けた。アマチュア界のスターとして有名になるとプロテストを受けて、下部リーグから這い上がった。
2023年のブラジル紙のインタビューでも「僕のことをサッカー選手には見えないと言う友達もいる。選手になったのが遅かったので、夢を見ているような気分になることもある」、「残念なことに、イトゥアーノでトライアルを受けていたとき、父は脳卒中を起こして記憶を失った。父は僕の成功を見ることも、サッカー選手になるのを見ることもできなかった。父は2年前に亡くなった。選手になるところを見てほしかった」と涙ながらに話していたそう。