[天皇杯決勝ヴィッセル神戸1-0ガンバ大阪、23日、東京・国立競技場]
関西対決となった決勝は神戸が5大会ぶり2度目の優勝を果たした。後半19分に神戸FW宮代大聖が奪った先制弾が決勝点となり、G大阪の追撃から逃げ切った。
昨季のJ1優勝に続き2年連続のタイトル獲得となった神戸DF初瀬亮は左サイドバックとして先発出場し、チームの無失点勝利に貢献した。
「ベンチ入りの経験をさせてもらった」古巣
G大阪の下部組織で育ち、2016年1月1日に行われた第95回天皇杯決勝G大阪対J1浦和レッズ(2-1)の一戦では、高校3年にしてベンチから試合を見守っていた初瀬。約9年ぶりに戻った決勝の舞台は別物だった。
「(高校)3年生のときにベンチ入りの経験をさせてもらった中で、ピッチに立って優勝すると全然違うなと感じました」
長い年月が27歳になった初瀬を成長させた。今季はここまで神戸で2021年シーズンに記録したキャリアハイ出場数に並ぶ公式戦44試合に出場し、チームのJ1優勝争いに貢献。この日も背番号19は左サイドでG大阪の攻撃を防ぎ続け、古巣に対して好パフォーマンスを発揮した。
「(G大阪は)本当にお世話になったクラブでもありますし、成長した姿を見せたかった。神戸でタイトルを取ることが自分の成長の証だと思います」
神戸は右サイドバックのDF酒井高徳(ごうとく)が高い位置を取って相手をけん制。初瀬は逆サイドとバランスを取るように正確なポジションを取り続け、攻守に安定感をもたらした。