11月2日に行われるJリーグYBCルヴァンカップ決勝で、名古屋グランパスと対戦するアルビレックス新潟。
クラブ創設は1955年と古く、Jリーグ加盟は1999年。以来、国内有数の熱心なサポーターとともに日本サッカーを盛り上げてきた。
ただ、J2では2度の優勝を誇るもののタイトルを獲ったことはない。この千載一遇のチャンスをモノにし、オレンジ色のユニフォームに最初の星を入れることができるだろうか。
その彼らは選手の育成に関して高い評価を得ている。ここでは新潟で大活躍し、ヨーロッパ移籍を果たした選手たちをご紹介しよう。
矢野貴章
海外移籍:アルビレックス新潟→SCフライブルク(2010)
現所属:栃木SC
元日本代表FWの矢野貴章は、土地柄まで含めて新潟を象徴するような存在であろう。
デビューこそ柏レイソルだが、新潟での活躍によってクラブ初の日本代表に。大柄ながら献身的で忍耐強く、2010年ワールドカップにはシーズン0得点ながらサプライズ招集され話題となった。
大会では世界との差を痛感し、2010年8月にドイツのフライブルクへ移籍。ただブンデスリーガでは15試合0ゴールに終わり、1年半後に新潟へと復帰している。
その後も移籍を繰り返し、新潟には3度在籍した。2019年、3度目の退団することになった際には「新潟を離れることになっても新潟、そしてアルビレックス新潟への愛は変わりません」と熱い思いを語っている。
40歳になった今も現役でプレーしているが、栃木SCは先日J3降格が決定。来季の去就が注目される。
伊藤涼太郎
海外移籍:アルビレックス新潟→シント=トロイデン(2023)
現所属:シント=トロイデン(ベルギー)
浦和レッズで活躍できず、J2・水戸ホーリーホックで浮上のきっかけを掴んだ伊藤涼太郎。ただそんな彼が完全に開花したのは新潟時代だろう。
天才肌のMFは松橋力蔵監督から自由を与えられ、折れかかった背中の羽を思う存分広げることができた。J2優勝、そしてJ1昇格後もそのテクニックと創造性を存分に発揮し、瞬く間にJリーグを代表するプレーヤーに。
昇格から半年後の2023年夏にシント=トロイデンへ移籍すると、その年末には日本代表へ初招集され、元旦のタイ戦でデビューを飾った。
海外移籍が決まった際、伊藤は新潟への深い感謝を口にしている。
「過去の自分は、J1の舞台でなかなか活躍できずにいました。そんな自分を新潟は迎え入れてくれて、出場機会をいただけたからこそ、海外クラブからのオファーが現実のものとなったと、感謝してもしきれない気持ちです」