J1の鹿島アントラーズは9日、中後雅喜コーチ(42)を新たな指揮官に任命したことを発表した。
鹿島は先週末アルビレックス新潟に4-0で勝利したが、翌6日にランコ・ポポヴィッチ監督との契約解除を発表。優勝争いからは後退したもののリーグ戦4位という成績での解任には驚きも広がった。
発表された新体制には、いずれも鹿島の黄金期を彩ったクラブOBの名前が含まれた。
コーチの中後雅喜氏が監督に昇格した他、パリ五輪でU-23日本代表のコーチだった羽田憲司氏(42)、鹿島アカデミースカウトの元日本代表の本山雅志氏(45)がトップチームコーチへ(本山氏はアカデミースカウトも兼務)。
今季からフットボールディビジョン・プログループ(強化部)のマネージャーを任されていた元日本代表の中田浩二氏(45)が、退任した吉岡宗重氏に代わってフットボールダイレクター(強化責任者)に就任した。
新監督の中後氏は千葉県出身で、駒澤大学から2005年に鹿島アントラーズに加入した。
その後ジェフ千葉、セレッソ大阪、東京ヴェルディでプレーし、2017年に現役を引退。引退後は古巣鹿島のアカデミーコーチに転身し、今季からポポヴィッチ監督のコーチを務めていた。
羽田氏、本山氏、中田氏も現役時代は鹿島でプレーし、本山氏と中田氏は日本代表としても活躍した。
クラブの公式サイトにはそれぞれのコメントが掲載されている。
「まずはチームのために走る、戦うという、クラブが今まで大切にしてきた基礎を改めて徹底し、全員が同じ方向を向いて戦うために意識を合わせていきたいと思います。どんな状況でも勝利を目指し、一体感を発揮することがアントラーズの伝統であり、強みなので、自分たちにフォーカスしながら、ファン・サポーターの皆様とともに今シーズン残り6試合を勝利のために戦っていきます。応援、よろしくお願いします」
(中後雅喜監督)
「今シーズンも残り6試合というタイミングですが、最後まで監督、選手を支え、クラブのため、勝利のために、全力を尽くします。アントラーズファミリー全員で戦いましょう」
(羽田憲司コーチ)
「中後監督のサポートとともに、監督と選手の橋渡し役になることが求められるので、コーチとしての役割をしっかり果たせるよう頑張ります。アカデミースカウトと兼務にはなりますが、アントラーズの勝利に貢献するため、自分の持っているすべてを捧げたいと思います」
(本山雅志コーチ)
「アントラーズのため、伝統を継承しながら全員が団結して戦い、勝利という使命を果たすことが自分の仕事だと思っています。強化責任者としてチームを良い方向へ導けるよう、選手、スタッフ、フロントと手を携えながら、全力を尽くしていきます」
(中田浩二フットボールダイレクター)
J1鹿島、ポポヴィッチ監督契約解除と吉岡FDの退任が「妥当」である理由
また、鹿島の小泉文明代表取締役社長は「中長期的な視点に立った強化戦略が求められていることも理解しており、強化部門の先頭に立つ中田FDをしっかりとサポートするとともに、勝利を追求するという伝統を守りながら、チームを成長、発展させていく必要があります。クラブがこれまで大切にしてきた結束力を選手、スタッフ、フロントが協力して示し、これからもファン、サポーターの皆様とともに戦ってまいります」とコメントしている。