18日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリートのリーグステージ第1節。
川崎フロンターレは前回ベスト4の蔚山HDとアウェイで対戦し、54分にマルシーニョが決めた先制点を守り切り、白星スタートを飾った。
前日に横浜F・マリノスが光州FCに3-7で敗れた韓国勢とのアウェイ戦。蔚山はKリーグで現在首位を走る強豪だけに、Jリーグで下位に沈む川崎の苦戦を予想する声も少なくなかった。
しかし、川崎は4-4-2のタイトな守備で蔚山にやりたいようなサッカーをさせなかった。
大きな役割を果たしたのが、スタメンでは初めてとなった橘田健人と河原創のボランチコンビ。運動量とボール奪取力に優れた両選手がピッチの広範囲に影響力を持つことで、1試合を通して相手にプレッシャーをかけ続けることができた。
試合中、河原と橘田の2人でボールを奪った場面では、DAZNで解説を務めた林陵平さんと実況の野村明弘さんの間でこんなやり取りがあった。
林「分かりやすく言うと、僕は橘田は『日本のカンテ』と評していたんですけど、河原も『日本のカンテ』なので…」
野村「カンテ2枚ということですか!?」
林「そう、カンテが2枚いるんです(笑)。(映像を見ながら)河原が今ここでやられても、このあとをしっかり追いかけているので、(カバーをした)橘田がよりカットしやすくなると。4-2-4のプレッシャーがかけられるのも、やっぱりカンテが2人いるからかけられるみたいなところがあるんですよ」
野村「また、カンテと言いますけど、前にも2人とも行ける」
林「そうなんです。技術的に両選手とも守備だけでなく攻撃でもいい振る舞いをできるのでそれも大きいですよね」
カンテとはもちろん、チェルシーなどで活躍し、現在はサウジアラビアのアル・イティハドでプレーするフランス代表MFエンゴロ・カンテのこと。
驚異的な運動量で中盤を走り回り、相手の攻撃の芽を摘みまくる世界的な守備的MFは、フランスの2018年ワールドカップ優勝、2022年ワールドカップ準優勝の原動力になった一人だ。
8月に河原がサガン鳥栖から川崎へ移籍してきたことで、Jリーグでカンテを彷彿とさせる2人が、同じチームでプレーすることに!
そんな「ダブル・カンテ」の活躍もあって、宿敵とも言える蔚山にアウェイで勝利を収めた川崎。この勢いをJリーグでの戦いにもつなげられるか注目される。