一方、ベルギーにとっては非常に苦しい試合であった。

攻撃の軸となるデ・ブライネが封じ込まれると、サイドを中心に攻めようとするが、ターゲットとなるルカクがサリバの密着マークにより仕事をさせてもらえず。

ドクらサイドプレーヤーも相手のディフェンスによって長所を活かしきれず、何度か良い形を作ってもラストパスの質が上がりきらなかった。

何より苦しかったのが交代選手を入れるタイミングがほぼなかったところだろう。

試合的には非常に拮抗していたため、1人の交代により均衡が一気に崩れるリスクがあった。そのため迂闊に交代枠を使うわけにはいかず、流れを変えられる選手の投入ができなかったことが特にベルギー側にとっては痛かった。

また、失点した後の交代選手も良くなかった。ベルギーのベンチにはPSVで今季公式戦14得点を記録し、さらなる飛躍が期待されるヨハン・バカヨコや、サイドで違いを作り出せるレアンドロ・トロサールと、同点に追いつくためのタレントが揃っていた。

ただ、ロメル・ルカクをフル出場させ、後半20分までにロイス・オペンダを交代させた決断が仇となった。

今大会は調子が上がらず、この試合でもボールタッチ数が少なかった印象のあるルカクを早めに下げ、シャルレ・デ・ケーテラーレやヨハン・バカヨコなどを投入していれば結果は違っていたかもしれない。

オペンダは前線からのプレスがかなり効いていたため、交代した後にプレスの勢いが低下。自由にパスを回されるようになってしまった。EUROの戦いは終わってしまったが、今後の立て直しに期待だ。

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