銀河系軍団との死闘

――石井監督のキャリアで、クラブワールドカップ準優勝は輝かしい実績だと思います。銀河系軍団レアル・マドリーと対戦したときはどういう感情が湧いてきましたか。

あそこまで行くことが非常に大変でしたね。最後は決勝まで行ったら、自分たちのいままでの戦い方をぶつけるだけでした。僕らや鹿島アントラーズにとっては、マイナスは絶対ないじゃないですか。なので、思い切ってできたと思っています。

でも、ほとんどの方が「レアル・マドリードがアントラーズに対して何点取るのか」という雰囲気は多分あったと思うんですよね。見ている人のほとんどがね。それがゲームの中で、岳が2点目を入れたときにスタジアムの雰囲気がガラッと変わった。

あのときの雰囲気は、すごく独特だったと思いますね。

――クラブワールドカップは勝ち抜くことが非常に難しい大会と聞きます。選手を休ませる時間もほぼありませんし、コンディションが苦しい中で勝ち抜かれたと思います。大会期間中に気を付けていたマネジメントはどういった部分なのでしょうか。

1つは中2日で何試合もやらなきゃいけない。そしてどの相手が勝ち上がってくるかも分からないじゃないですか。だからそういう意味ではすごく時間がなくて、相手も分析しなきゃいけなかったことがすごく大変だった。

僕が選手に対してかける言葉で意識していたのは、「疲れ」、「疲労」というワードを使わない配慮はありましたね。それらを言葉にすることによって、なんとなくそれらを意識してしまうような気がして。

当然、選手からもそういう言葉は出なかった。だから自分からネガティブになりそうな言葉は出さないようにしていました。