イングランド・プレミアリーグは、2024-25シーズンから「半自動オフサイド判定システム」を導入することを決めたという。
『BBC』などの報道によれば、イングランド・プレミアリーグは11日に株主総会を行い、全会一致の上で半自動オフサイド判定システムを導入することに同意したとのこと。
半自動オフサイド判定システムは2022-23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグと2022年末のFIFAワールドカップでテスト導入されたことで知られる技術。通称「SAOT」(Semi-automated offside technology)と呼ばれている。
プレミアリーグに先んじてイタリア・セリエAやメキシコ・リーガMXが2023年1月から導入しており、さらにコパ・リベルタドーレスでも採用されている。
スペインのラ・リーガもすでに2024-25シーズンからSAOTを導入すると発表しており、急速に普及が進んでいる状況だ。
では、なぜこのSAOTが必要になるのかといえば「VAR判定のスピードを速めるため」であるという。
SAOTは人工知能(AI)によってピッチ上の選手とボールの位置を分析し、仮想オフライドラインを自動で設定することで、オフサイドの可能性があるプレーを自動で発見するもの。
従来のVARでのオフサイドの判定については、カメラのフレームレートや角度の問題により、厳密には正確にパスが出されたタイミングを判定できず、手動でオフサイドラインを設定しなければいけない。そのためジャッジに長い時間を要することもある。
SAOTは、これらを全て自動で判定してオフサイドの可能性があるプレーがあった場合にVARへアラートを送り、その理由となる映像や画像を提供する。プレミアリーグはそれによって平均30秒以上の時間短縮が実現できると発表している。
ただ『ESPN』によればプレミアリーグは現在オフサイドの判定技術を提供しているホークアイ社との契約が終了するまではテストができないため、来季の開幕にはSAOTの導入が間に合わないという。
技術的には信頼できるものであるが、9月、10月、11月に設定されているインターナショナルマッチウィークのいずれかのタイミングで使用開始されると予想されているようだ。