Jリーグ公式Youtubeチャンネルは29日、今シーズンのJリーグを振り返る「Jな夜会2023」の前編を公開した。
今回出演したのはワッキー(ペナルティ)、チョウ・キジェ(京都監督)、横内昭展(磐田監督)、酒井高徳(神戸)、太田宏介(町田)、森脇良太(愛媛)、そして野々村芳和(チェアマン)の7名。
その中で、監督や選手とのコミュニケーションの話に。ドイツのハンブルガーSVでキャプテンを務めていた経験を持っている酒井高徳は、ヴィッセル神戸で実践してきた対話のテクニックについて以下のように話していた。
酒井「今年の神戸で言えば、若い選手…何人か『それまで出ていたのに出られなくなった』とか『長い間試合に出られなかった』選手がいた。
僕は喋らないほうだったんです。ただ、意識して喋らないのではなくて『普通にしている』という感じですね。あえて喋らないわけではないし、積極的に喋るわけでもない。
ただ単純に、セッションで気になることがあったらその場で言う。紅白戦のときでも『そこに出されたら嫌だ。だからあのボールはめっちゃいいと思う』とか。逆に『あれを取られていたらダメだよね、試合に絡めないよね』とか…みんなから少し離れたところで話す。
みんなが見ているところでそれを言うと、本人も周りを気にしてしまうから。外周を歩いている時とか、相手が寄ってきたときにとか。そして活躍し始めたときには、『お前ちゃんとやってたからな、それをみんな見てたよ』という感じで言ったりはしました。
自分もそんな時期があったので、その選手たちの気持ちがわかるんです。先が見えないじゃないですか。1ヶ月かもしれないし、1年かもしれない。苦しい思いをしていることはわかるし、『あのときに頑張ってたのを見てたよ』と言われることが一番嬉しいから、そういうことを言ったりはしますね」
キジェ「ドイツではどうなの?出ない子には『自分で這い上がってこいよ』みたいな」
酒井「そうですね、お節介焼きなやつはいないですね。ただ逆に、俺はそれを出てない選手にやってました。それを監督も見ていてくれて。キャプテンに指名された時に『お前が話をしたときに聞かないやつは誰もいないから選んだ』と言われました」
横内「ハンブルクのとき、何試合か見に行ってるの。高徳はすごくコミュニケーションとって、レフェリーともやりとりして、スタッフや監督とも。すげぇな高徳と思ったよ」
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酒井高徳が所属していた時期のハンブルガーSVはクラブとして末期の状態で、残留争いを繰り返しているような大変な環境だったが、その中でもキャプテンという役割から逃げずにコミュニケーションを取り続けていたという。