シェフィールド・ユナイテッド女子の副キャプテンを務めていたマディ・キャザックが27歳で突如死去したと伝えられてから2ヶ月が経った。

マディ・キャザックは2019年にレスター・シティからシェフィールド・ユナイテッドに加入し、それから100試合以上に出場してきたMFだった。

選手と並行しながらダービー大学を卒業したインテリでもあり、シェフィールド・ユナイテッドのマーケティング部で責任者を務めるという文武両道のエリートでもあった。

ところが、彼女は今年9月20日に自宅で突如この世を去ってしまう。シェフィールド・ユナイテッド対ニューカッスル・ユナイテッドの前に黙祷が行われ、彼女の死を悼む動きが広がっていた。

ただ、その一方で彼女がなぜ死去したかは詳しく明らかにされておらず、ただ「事件性はなかった」とだけ伝えられていた。

しかし今回『BBC』の報道で母のデボラ・キャザックが以下のように話し、マディは精神的に打ちひしがれた状況にあったと明かしたのだ。

デボラ・キャザック

「娘はミス・シェフィールド・ユナイテッドだった。彼女はこの街に、このファンに、このクラブに恋をして、そこに故郷を見つけた。

ただ、今年の2月を皮切りに娘は変わってしまった。サッカーでのキャリアについて心配していた。

娘にとってはサッカーが全てだったので、それが脅かされることは恐怖だった。そして娘の精神は打ち砕かれた。それが説明できる最善の言葉です。

シェフィールド・ユナイテッドの選手たちはパートタイム、あるいはフルタイムの仕事を持ちながら、週に3試合をプレーする。日曜日に試合をするために土曜日から遠征をすることも多かった。

しかしそれも最小限の金額で。娘はサッカーをするために毎年6000ポンド(およそ96.9万円)を使っていた。

彼女たちは2つの仕事をやりくりして、得られる収入のほんの僅かな部分のために激しいトレーニングをし、遥かに裕福な男性アスリートのように振る舞わなければならない。それはあまりにも負担が多すぎて、プレッシャーも大き過ぎる。

娘のいない人生を想像できない。ただ、追悼式ではシェフィールド・ユナイテッドの4万人のファンから拍手を贈られた。

追悼式をしてもらったのは、娘がやってきたことの一つ一つを誇りに思っていることを、世界に示さなければならなかったから。

彼女は27年間の短い人生で、多くの人が生涯で達成するものよりも遥かに多くのものを成し遂げたのだから」

マディ・キャザックは今年の2月あたりから精神的に難しい状況にあった…とのこと。

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近年ヨーロッパでの女子サッカーは人気も規模も急拡大しており、試合数やイベントも増加している。その一方で、仕事をしながらサッカーをせざるを得ないアマチュア選手の肉体的、精神的な負担はかなり増加しているようだ。

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