2021年に千葉で行われたワールドカップ予選、ミャンマー対日本。軍事クーデターのために2ヶ月延期されたのち、日本で行われたという珍しい試合でもあった。

この試合で大きな話題を集めたのがミャンマー代表の控えGKであったピエ・リャン・アウン。彼は軍事政権への抗議を表す三本指のジェスチャーを行い、帰国することを拒否して日本に亡命した。

これによって彼は帰国することを拒否し、ミャンマー代表の道も断念せざるを得なくなった。その後YSCCからフットサルでのプロ契約を与えられたものの、後にそれを解除。現在は東京のミャンマー料理店で働いているという。

今回『AFP』のインタビューに答えたピエ・リャン・アウンは、2021年に亡命したあとのことを以下のように話していたという。

ピエ・リャン・アウン

「誰もがトッププレーヤーになりたいと思っている。しかし、ミャンマーという国で起こっていることと比べれば、そのような夢は大したものではない。

僕はミャンマーで起きた不当なクーデターを容認できない。抗議をして国にいられなくなったことも、国民として正しい行為だったと思っている。

2021年に日本で行われた代表戦では、選手全員が抗議の3本指ジェスチャーをしようと決めていた。ただ、チームの関係者が警告してきたため、みんなが考え直し始めた。

昼食のときに『誰がやるんだ?』と聞いたが、みんな家族や自分にとって悪いことが起こるかもしれないと言って、方針を変えた。でも僕は『誰もやろうとしなくても、自分はやる』と決めていた。

亡命した後もプレーしたかったが、ミャンマーの状況が気になって心がその気にならなかった。ストレスが大きすぎてトレーニングもできなかったんだ。

まだサッカーへの愛情は戻ってきていない。W杯予選の日本戦も見る気はないよ。今の代表チームは、国内の罪のない民間人が虐殺されていても気にしなかった人々だ。

日本の生活にはよく適応できた。でもこれほど長く日本にいるとは予想しなかった。

今望んでいるのは、ミャンマーで何が起こっているかを世界に知ってもらうことだ。あの国は援助を必要としていて、罪のない多くの人々が殺されているのだから」

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ミャンマー代表として現在プレーしている選手は、自国内で行われている悲劇に目を瞑った者たち…一人抗議活動を行うことを決めた彼は、かつてのチームメイトの試合もまだ見る気にならないという。

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