町野も止めた実力者

Jリーグクラブ入団志望の折口にとって、Jリーグクラブスカウトが集まる総理大臣杯は重要な位置づけにある。「(スカウトには)自分の長所がシュートストップだったりクロスへの対応なので、そこを見てくれたらとうれしいです」とアピールした。

これまで数チームのJリーグクラブの練習参加やエリートリーグ出場などこなしており、この大会でプロ入りへの弾みをつけたい。

2019年10月6日に行われたJ3第25節アウェー・ギラヴァンツ北九州戦でC大阪U-23のゴールキーパーとしてJリーグデビューを飾った折口は、当時北九州に所属していた日本代表FW町野修斗(現ドイツ2部ホルシュタイン・キール)のシュートを完封してチームに2-0の勝利をもたらした。

折口は「あのときの自分を振り返って、今と比べてどうだったかと考えます」とJリーグで戦った経験を比較しながら成長に結び付けてきた。

富士大進学後は入学後すぐに主力の座をつかみ、天皇杯2020年大会2回戦でアマチュア屈指の強豪JFLソニー仙台を3-2で破る原動力となった。

だがコロナ禍の影響で大学2年次に出場を決めていた総理大臣杯出場をチームは辞退。大学3年次は控えの座となり、チームメイトは天皇杯でJ1のFC東京と戦う中、ベンチで見守るしかできない自分を悔やんだ。

それでも「試合に出るために何をしなければいけないのか考えました。自分の長所であるシュートストップや、ハイボールの処理をもっと強みにできるのかを考えて練習に取り組みました」と腐らず努力を続けた。

そして満を持して出場した大舞台で、富士大初の全国大会1勝を皮切りに快進撃をゴールから支え続けた。

ユースの同期はC大阪DF西尾隆矢、J2のFC町田ゼルビアFW藤尾翔太、J2ヴァンフォーレ甲府MF松本凪生、J3のFC大阪MF吉馴空矢がJリーグの舞台で活躍している。

背番号25は「同期には刺激も受けていますし、同じ舞台に立って味方としても、相手としても戦いたいと思っています」と同期たちが活躍する舞台に向けてアピールを続ける構えだ。

8日に行われる準決勝(宮城・セイホクパーク石巻フットボール場)は大学サッカー屈指の強豪法政大と対戦する。折口は「一戦、一戦勝つためにやってきています。チーム全員が同じ方向を向いているので、それを続けて法政さんも倒して決勝に行けたらと思います」と東北勢初の同大会決勝進出の意欲を語った。

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桜のアカデミー育ちの富士大GK折口は総理大臣杯でさらなる快進撃を見せて、プロの舞台へと返り咲く。

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