亡き師の教えを引き継ぐ
――日本のサッカーを日本化する。日本人にしかできないスタイルでしょうか。
みんなその言葉だけを取り上げるんですけど、僕はジーコ監督が率いた日本や、それまでの日本からオシムさんが代表を引き継いだときに、それと対比したことを言ったと僕は思っています。
つまり、いままでの日本はヨーロッパの真似、南米の真似をして日本人らしさを活かせてないんじゃないかと。でもオシムさんが日本のサッカーを日本化すると。そういうことを言ったと思うんですよ。
だからオシムさんが(日本代表で)途中までやろうとしたことや、オシムさんがジェフで指揮を執ったことを我々に伝えてくれたことで「お前ら日本人はすごいんだよ」、「お前ら日本人はできるんだよ」と、そういうことを伝えてくれたと思うんですよね。やっぱりそれなんじゃないですか。オシムさんが日本に残したものというのは。
――オシムさんが亡くなられて1年が経ちました。オシムさんから学んだことを今後のキャリアにどう生かしていきたいですか。
もちろんオシムさんと出会って、オシムさんに憧れて、自分はサッカー監督になった人間なので。
選手が成長するようなトレーニング、サッカーしかするつもりはないです。選手が成長して、選手が喜びを感じて、選手たちが躍動する姿を見て観客、サポーターが喜べるものを実行していくことが自分の仕事、使命だと思っています。
そういうことができたときに自分の人生が一番輝くと思っている。そういうことをやっていくことが、オシムさんの隣にいた人間としての使命だと思っています。
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次回は通訳業から指導者の道を歩んだ経緯、ブラウブリッツ秋田監督時代などを振り返った。