“鹿島の3番”を求む
初陣の福岡戦では、チームの一体感が印象的に映った。選手たちからはこの試合に懸ける想いが伝わり、それは監督以下スタッフも同様。特に先制点が決まった後の鈴木と岩政監督による(お決まりの)熱い抱擁は一体感を示すシーンだった。
ポジティブなムードそのままに、岩政監督に期待したいのは守備の安定である。前節までに喫した31失点はリーグワースト6位の数字。福岡戦で見せたコンパクトなブロックを継続し、いかに失点のリスクを減らせるか。
また、CBは絶対的な柱が存在しない。ポテンシャルは十分だが、時折軽率な一面ものぞかせる関川郁万を“鹿島の3番”へと成長させられるかもポイントだ。現役時代に背番号3を背負い、国内屈指のCBとして鳴らした岩政監督の手腕に注目したい。
一方で、岩政監督が今季どのような結果を残そうと、フロントは選手補強やチーム編成の面で責任を果たすべきだ。上田の移籍による得点力低下は、決してヴァイラー前監督だけの責任ではない。今夏にナイジェリア人ストライカーのブレッシング・エレケを獲得したとはいえ、結果としてヴァイラー政権では起用できずに終わっている。
近年のJリーグは、海外クラブから早期の段階でオファーが届くのがトレンドとなっており、今後も荒木遼太郎や常本佳吾といった有望株が海を渡る可能性はある。いかに素早く穴埋めできるかという点が今まで以上に問われるはずで、編成の重要性を今一度認識して欲しいところだ。
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ピッチ内外で課題はあるものの、初陣で勝利したことが一番の薬となりそうなのは確か。カシマスタジアムに掲げられた横断幕のメッセージが、サポーターの総意だろう。
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