10代の頃に逸材と形容される選手は星の数ほどいる。
しかし若さそれ自体が期待になる時期とは違い、肉体的・精神的には最も充実するものの明確な結果を求められる26~30歳あたりでキャリアのピークを迎えられない選手も多い。
ここでは復活も願い、ワールドカップイヤーの2022年に「ピークを迎えていてほしかった日本の天才たち」を紹介しよう。
宇佐美 貴史
生年月日:1992/05/06 (29歳)
所属:ガンバ大阪(日本)
少年時代、ユース時代の宇佐美は“都市伝説”と形容されるほどの天才だった。
U-17W杯でネイマール以上の存在感を発揮すると、10代でバイエルンに加入。前評判通りだった逸材に対し、誰もがそこからの輝かしいキャリアを予感した。
しかしドイツでは失望の日々を送ることに。日本復帰後ガンバ大阪では得点能力を開花させ、2018年大会のメンバーに選出されたが大きな結果を残すことができなかった。
今年ちょうど30歳。年齢的にはこの2022年大会に全盛期を迎えてほしかったが、3月の試合で右アキレス腱断裂という重傷を負いサプライズ招集の芽も潰えている。
大島 僚太
生年月日:1993/01/23 (29歳)
所属:川崎フロンターレ(日本)
“日本のイニエスタ”ともいえる男の名前をここに挙げなければならないことが悲しい。
川崎フロンターレではクラブの英雄である中村憲剛の良き仲間、そして後継者として確固たる地位を築いているが、日本代表ではポジションを確立できていない。
理由はやはりケガであろう。ここ一番という時にたびたび負傷し、チャンスを何度もフイにしてしまった。
日本代表の3センターで川崎の選手が躍動している現状を考えるとあまりにも惜しい。
※事実誤認があった箇所を修正致しました。
武藤 嘉紀
1992/07/15 (29歳)
所属:ヴィッセル神戸(日本)
個人能力の高さでいえば、武藤は歴代日本人選手の中でも最上位に位置するだろう。
FC東京での大活躍、岡崎慎司の後を受け継いだドイツのマインツでも得点を重ね、プレミアリーグのニューカッスルへ移籍。ここでは高い壁に阻まれ日本に戻ったもののそのキャリアは確かなものだった。
しかし日本代表での彼の立ち位置は常に微妙だった。独力は高いのだが大迫勇也のように周りを生かせる選手ではなく、チームの戦術と合わない面があったからだろうか。
現在の縦に速いサッカーなら生きるのではないかとの想いもある。しかし今年3月2日の試合で左膝内側側副靭帯を損傷し全治約8~10週間と代表入りは険しい。
昌子 源
生年月日:1992/12/11 (29歳)
所属:ガンバ大阪(日本)
2018年ロシア大会で吉田麻也とセンターバックのコンビを組んだのは昌子だった。
当時25歳だったが、初戦のコロンビア戦では“伝説の男”ファルカオの封じ込めに成功。吉田との盤石のコンビで日本代表のベスト16入りに貢献した。
現在29歳という年齢を考えれば、昌子は本来この2022年カタール大会、さらに2026年大会も主力でいておかしくなかったはずである。
しかしロシア大会後に移籍したフランスのトゥールーズではケガもあり思うように活躍できず。日本に復帰して以降はかつてほどの安定感を発揮できないでいる。