――前作『テルスター18』からの変化として、14枚(2006)→8枚(2010)→6枚(2014、2018)と減ってきたボール表面のパネルが、逆に20枚に増えました。

6パネル構造から離れる主な目的は、新しいパネル形状の設計方法の探求を再スタートしたかったからです。過去の6パネル構造のアイデアは、ボールの製造プロセスを自動化するというアイデアによって推進されました。

少しの変更でパフォーマンスに大きな違いが生まれ、ボールのパネルを少し伸ばすことでスピードと飛行の安定性を高めることができました。

また、空気抵抗を改善するために、さまざまなマイクロテクスチャとマクロテクスチャを使用してボールの表面を厳密にテストしました。テストプロセス全体を通して、細心の注意を払い、試験項目を一つも残さずテストに通しました。

※製造プロセスの自動化もありパネルの枚数は減ってきたが、様々な実験の結果、枚数を増やすことで空気抵抗が改善されたというのが大きな理由だったようだ。

私たちは、前作の『テルスター18』がそのパフォーマンスで世界中のプレーヤーに非常によく認識されていたため、当ボールをベンチマークとして使用し、アル・リフラの作成プロセスを開始させました。私たちが直面した重要な課題は、理想的なスイートスポットの定義でした。

新しいデザイン、無駄の最小化、水性インクと接着剤の使用、効率的な製造性などの要素の組み合わせにより、ボールの速度と精度を向上する必要がありました。特に新しいパネル形状は、ボールの飛行性能に直接影響するため、多くの注意が必要でした。

新しいボールを厳格なテストプロセスにかけました。すべての試合球は、円周、リバウンド、重量、圧力の低下、形状とサイズの保持に関する厳格な基準を備えたFIFA品質コンセプトに従ってテストされています。

FIFAクラブワールドカップ、プロチームであるバイエルン・ミュンヘンの女子チームとU-19チーム、そしていくつかのアマチュアチームでテストを行いました。私たちはフィードバックに非常に満足しています。

――サッカーボールの重要な要素の一つに「視認性」があります。特に“模様”は選手や観客がボールの回転を判断する上で非常に重要です。

カタールの伝統産業である真珠を連想させるパール調の光沢原反のあるパネルに描かれた大胆で鮮やかな色とグラフィックは、カタールの国旗・文化・建築物から着想を得たデザインです。

ゲームのスピードはますます速くなり、アル・リフラのカラーリングが魅せるスピードは初心者レベルからエリートレベルまでの世界中のプレーヤーやファンを興奮させることでしょう。

また、アル・リフラは環境面を考慮され設計されました。すべてのコンポーネントが慎重に検討されており、アル・リフラは水性インクと接着剤のみを使用して作られた最初のワールドカップ公式試合球です。