エースの移籍、助っ人の負傷離脱を乗り切った指揮官の手腕

昨年9月から指揮を執るクラブOBの三浦淳寛監督は、元バルセロナの選手たちを中心に据えたポゼッションスタイルを標榜。「4-3-1-2」のほかに「4-2-3-1」「3-5-2」といった複数のシステムを使い分けながら、選手のパフォーマンスを最大限引き出す采配でチーム力を高めてきた。

今夏に最大の得点源として活躍していた古橋亨梧がスコットランドのセルティックへ移籍してからは、後釜に迎え入れた武藤、大迫、バルサのカンテラ出身であるボージャン・クルキッチをチームに組み込むことに腐心。

左右両足から放たれる正確無比のシュートに加え、ワンタッチゴールなど多彩な得点パターンを身につけてエースに君臨していた古橋の穴埋めは難しいミッションだった。

最終的にはイニエスタをトップ下に据え、武藤と大迫の2トップを活かす形を採用。特に加入後すぐにフィットしてゴールにアシストにと目覚ましい活躍を見せた武藤の奮闘ぶりは非常に大きかった。

ボージャンとフィジカル自慢のドウグラスが負傷離脱となるアクシデントもあった中、渡欧前までにリーグ戦15ゴールをマークしていた古橋の移籍によるダメージを最小限に抑えた三浦監督の手腕は称賛されるべきだ。

10月度の月間優秀監督賞を受賞している事実が、その辣腕ぶりを物語っている。