18日に行われたUEFAヨーロッパリーグのグラスゴー・レンジャース対スラヴィア・プラハの試合で発生した人種差別疑惑が、再び波紋を広げているようだ。

この試合では、スラヴィア・プラハのオンドレイ・クデラが、レンジャースのグレン・カマラを「ク●猿」と呼んだ…という告発があり、事件の調査が進められている。

そして、逆に試合後にはドレッシングルームに向かうトンネルの中でグレン・カマラがオンドレイ・クデラを暴行したとして、スラヴィア・プラハ側も告発を行っている。

そんななか、スラヴィア・プラハの会長を務めているヤロスラフ・トフルディク氏はクラブの公式サイトで以下のように声明を発表。不当な告発を受けているとして、グレン・カマラの暴力行為を批判した。

ヤロスラフ・トフルディク

「UEFAの当局者と地元の警察によって行われている保留中の事件の調査においては、今のところなんの発見もない。

しかし我々の選手であるオンドレイ・クデラはすでになんの証拠もなく公に『有罪判決』を受けたようになっている。外国人嫌悪の偏見と推定有罪の犠牲者だ。

オンドレイも我々クラブも、当局に必要な協力をすべて提供した。証拠と法に基づくプロセスを信頼している。我々の見解においては、オンドレイを人種差別に関する不当な告発から浄化できる証拠を提示した。

悲しいことは、レンジャーズの側が彼らによる明らかな暴力的行為を隠そうとしているという点だ。

試合中、我々のGKオンドレイ・コラーシュは重傷を負った。前頭部の骨折というものだったにもかかわらず、試合終了から数十分経ってもピッチでドクターの診察を受けられなかった。

言うまでもなく、我々の選手に対して他にもいくつかの深刻なファウルがあり、それらの多くは罰せられないままだ。

試合後、レンジャーズの代表団は『疑惑の人種差別的侮辱について聞きたい』と、クデラとの話し合いを要求した。その会話はUEFAの代表団の下、両チームの監督を交えてトンネルの中で行われるはずだった。

しかしながら、その場所を写すカメラはなぜか意図的にカバーをかけられていた。グレン・カマラは会話をする素振りすら見せず、クデラの顔を殴りつけて暴行した。

カマラは一言も謝罪することなくドレッシングルームへと逃げ込み、そしてスティーヴン・ジェラード監督もその後に続いた。

それは恥ずべき事件である。このようなことを踏まえ、クラブも選手も事件の調査の結果を待っている。それまでは落ち着いていてほしい」

グレン・カマラには先日スコットランド最大のライバルであるセルティックの主将スコット・ブラウンが直接握手をしに行ったことで大きな話題になった。

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しかし、スラヴィア・プラハ側からすれば現状では「確たる証拠もないのに人種差別をしたと推定有罪にされており、暴行事件が覆い隠されている」という見方になるようだ。

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