人は生きていく中で経験を積み重ね、それによって同じ過ちを回避するものである。
しかしそれは時に、余分な先入観や固定観念に繋がってしまうこともあるだろう。サッカー界でもステレオタイプな見方や考え方は根強く存在するものだ。
今回は、そんな先入観や固定観念、サッカー界で当たり前だった常識をぶち壊し、新しい価値観を創造したGKを紹介しよう。
ホセ・ルイス・チラベルト(パラグアイ)
GKはいわば“縁の下の力持ち的”な存在であるが、チラベルトはその圧倒的な威圧感と存在感によりピッチ上の主役であり続けた稀有な選手である。
内陸国パラグアイの先住民グアラニー族の勇敢な戦士を彷彿とさせる大男は、最後方で味方を鼓舞する一方、隙あらば相手陣内まで駆け上がり、フリーキックやPKでゴールを狙うというプレースタイルを確立。“攻撃型GK”の代名詞となった。
2002年日韓ワールドカップのスペイン戦でFKを蹴るチラベルト
その知名度は国際的にも高く、国内では大統領候補にも挙げられたほど。歯に衣着せぬ発言で物議を醸すこともしばしばだが、闘将カーンと並びサッカー史上「最もカリスマ性のあるGK」の一人となっている。