先日世界で大きな話題になった「フィンセン(FinCEN)文書」。世界の大手金融機関がこぞって総額2兆ドルものマネーロンダリングに関与していたという文書が流出した。
その多くは2000年から2017年にわたってアメリカの金融当局に送られてきた顧客の不審な動きを記録したもの。
それ自体が犯罪を証明するものではないが、これらの怪しげな取引を金融機関が把握しながらも現金のやり取りを放置していたことが明らかになった。その総額は今回の2兆ドルが氷山の一角に過ぎないほどのものになるという。
そして、サッカー界に関わるものとしては、チェルシーのオーナーを務めているロマン・アブラモヴィッチ氏が行ったと考えられる取引も含まれていた。
それは、「自分のクラブに所属していない選手の保有権を、オフショア企業を介して秘密裏に獲得していた」ことだそう。
アブラモヴィッチ氏は英領バージン諸島にあるレイストン・ホールディングスという企業を通じ、12名の選手の保有権を買収していた。
その中にはペルー代表FWのアンドレ・カリージョが含まれており、スポルティング・リスボンがアリアンサ・リマから獲得した際の移籍金の一部を負担することにより、経済的権利の50%を取得していたという。
2018年ワールドカップのオーストラリア戦ではマン・オブ・ザ・マッチに輝いたウインガーのアンドレ・カリージョ。凄まじいボレーシュートを決めて話題になった(動画30秒~)。
スポルティング時代は田中順也とも同僚だったが、現在はサウジアラビアのアル・ヒラルに所属している。
選手の保有権を第三者が取得することは2015年まで禁止されていなかったため、これ自体は違法なものとは言えないという。
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しかしオフショア企業を介した疑わしい取引であること、1クラブのオーナーが他の選手に投資するという不誠実な行動には問題があるのではないか…と伝えられている。