モウリーニョがバルセロナを率いていたもう一つの世界と、バルセロナの未来

最強期のバルセロナについて記述するときに、絶対に避けては通れないのが、ジョセ・モウリーニョ監督の存在です。

一般的にはバルサイズムと対極に位置する人物として語られることが多く、「アンチフットボール」とまで揶揄されたモウリーニョですが、サッカーファンの間ではよく知られるように彼の指導者としての出発点はバルセロナにあります。

本作では、ボビー・ロブソンの通訳、ルイス・ファン・ハールのアシスタントコーチを務めていた頃のモウリーニョが、誰よりもバルセロナの歴史、哲学、戦術について知り尽くしていたことを、当時の選手たちが口々に語っています。

サッカー解説者で元日本代表の川勝良一さん

さらには、フランク・ライカールト監督の後任候補としてグアルディオラとともに選出され、バルセロナでのモウリーニョ政権が誕生する可能性がかなり高かったことも明らかにされています。

最終的にトップチーム監督に抜擢されたグアルディオラ監督の躍進ぶりは、周知のとおりですが、もし就任していたのが彼ではなくモウリーニョだったなら――などと、あり得たかもしれないもう一つの世界をあれこれと想像したくなってしまいますが、『ボールを奪えパスを出せ/FCバルセロナ最強の証』では、チャビが監督として帰還するバルセロナの大きな未来が予見されています。

胸の高鳴りがとまらなくなる激熱の展開なので、ぜひその目で確認してみてください。

最強のサッカー教材として監督、コーチ、サッカーキッズも必見!

FCバルセロナ史上最強期の真実とともに、少年だったメッシがクラブによって見出されその素質を開花させていったプロセスについても、カンテラ時代の関係者たちによって詳細に語られている本作。

年間で2000試合を観戦するという、サッカー通の小柳ルミ子さんも「サッカーを愛する人には全部、一言一句、すべてを見てほしい。何しろペップ(グアルディオラの愛称)のあれだけの細かい戦術。メッシがあそこまでいったのはペップのおかげ」と熱弁されていたように、グアルディオラ監督との出会いが、メッシの秘めていた特大の才能に大きなシナジーをもたらしたことは間違いないでしょう。

特別な資質を持ちながら、よい指導者とめぐりあうことができず、埋没していった数多の天才たちに想いを馳せると、メッシとグアルディオラの出会いは一つの奇跡であり、運命的なものであったのだと感じずにはいられません。

「J SPORTS」のプロデューサー、菅原慎吾さん

優れた指導法のノウハウに関しては、イベントで菅原慎吾さんが「Jリーグのチームの監督は良いものを見せようという意識はどれくらいあるのですか?」という疑問を投げかけたように、日本サッカーの大きな課題となっています。

川勝良一さんが「できるだけ小さいうちに良いものを観た方がいい。サッカーも世界のトップレベルを最初に観た方がいいです。頭が発達するんです。子供が真似したくなるだけの価値が(この映画には)あります。」と本作を推奨されたように、選手育成の大きなヒントがつまった内容になっているので、バルセロナ・ファンはもちろんのこと、監督やコーチを目指している方や、サッカー少年とその親御さんにも声を大にしておススメしたい作品です!

『ボールを奪え パスを出せ/FCバルセロナ最強の証(あかし)』
12月3日(火)発売 DVD:4,800円(税抜)
発売元:メディアネット ピクチャーズ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング
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