イタリア・セリエA第24節のSPAL対フィオレンティーナで、VAR(ビデオ副審システム)による非常に珍しい判定があった。

事件が起こったのは1-1で迎えた73分だ。フィオレンティーナの攻撃でフェデリコ・キエーザがペナルティエリアで倒されるも、笛は吹かれず(72分40秒)。

その45秒後、SPALはカウンターからマッティア・ヴェロティがゴールを決めて2-1になった(73分25秒)…かと思われた。

しかし議論を呼ぶ場面はそこからだ。審判のルーカ・パイレット氏が耳に手をやってVARでの判定が行われていることを報告し、ブースで映像を確認した(74分55秒)。

その結果、72分40秒の段階でフェデリコ・キエーザが倒された際のファウルが認められ、フィオレンティーナにPKが与えられたのだ。

もちろんその後に行われたプレーはすべて取り消し。決まったはずのSPALのゴールも認められなかった。その得点の場面自体にはファウルがなかったにもかかわらず…。

このPKによって1-2とリードしたフィオレンティーナは、その直後にジョバンニ・シメオネの追加点が決まってさらに差を広げることに成功。88分にはジェルソンが4点目を奪取し、結局スコアは1-4となった。

VARの欠点は「スピード」であると言われている。このように判定が必要な場面の直後にゴールが決まることは稀であるが、起こり得ないものではない。

発生する可能性がある…と言われていたものが現実のものとなったわけで、今後は正しい判定をすること以外の課題に取り組む必要が出てくるのかもしれない。

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