■周囲の信頼と環境を“追い風”に――

例えば、緻密な守備戦術を持つ監督であれば、まずはその理論を理解し、なおかつ周囲との連係も深めていかなければならない。異なる言語の中で、理論をすぐに理解することは容易ではない。準備の時間が少ない冬の移籍なら尚更だ。

一方、細かな戦術よりも1対1の強さに重きを置く監督なら、練習でもアピールしやすいし、試合出場の可能性も高まる。

昌子の1対1の強さが世界レベルであるというのは、ロシア・ワールドカップでも証明済み。元より指揮官の期待値は高かったはずで、自身の戦術に合致すると考えていただろう。

そして、デビュー戦で完封勝利を収めることができたのも、大きな“追い風”だった。初戦の結果次第で周囲の見る目は変わるし、信頼も段違いとなるからだ。

チームの失点減につながるプレーを継続的に披露できれば、名実ともにディフェンスリーダーとして君臨できるだろう。

新天地で奮闘を続ける背番号3にとって、ネイマール、キリアン・エムバペ、エディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)、ラダメル・ファルカオ(モナコ)、マリオ・バロテッリ(マルセイユ)といった世界有数のストライカーと対峙できる環境は、大変魅力的であり、技術を磨く上でも“追い風”に違いない。

彼らとのマッチアップを通してレベルアップし、日本代表のレギュラーを奪還する――。“追い風”が吹く昌子の逆襲を心待ちにしたい。

2019/2/11 written by ロッシ

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