金曜日にルワンダのキガリで行われるFIFA理事会。そこで議論される最も重要な題材が、2つの新たな大会を創設するプロジェクトだ。
一つは「ミニワールドカップ(ファイナル・エイト)」。UEFAネーションズリーグ、CONCACAFネーションズリーグを下敷きにし、2年毎に8つの代表チームを招いてトーナメントを行うというもの。
もう一つは「新クラブワールドカップ」。現在は1年毎の12月に開催されているが、それを4年毎とし、規模を拡大。各協会から24クラブを招待し、より宣伝効果の高いコンペティションにすることだ。
FIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏は、金曜の会合でこれについての競技を行うことを明らかにしている。
しかし、それに対しての反対は根強いものがある。
まずは国際プロサッカー選手組合(FIFPro)。彼らはこれ以上に選手のスケジュールが過密になった場合のデメリットを懸念しており、むしろ試合の削減を求めている。
また、欧州サッカー連盟(UEFA)もこの大会案はあまりにも商業的に過ぎると批判しており、プレミアリーグや世界リーグ会議(WLF)も反対を表明している。
さらに「この大会が創設されることにより、裕福なクラブとそうでないクラブの格差がさらに拡大してしまい、国内リーグの価値を下げる」という指摘もある。
そして、その大会を創設するにあたっての投資にも問題があるのではないかと言われている。
先日のジャーナリスト殺害事件によって世界的な批判を受けているサウジアラビアの政府系ファンドが支援をしていると伝えられているからだ。
それが日本のコングロマリットであるソフトバンクグループを経由して流れ込んでいると報じられており、政治との関わりが指摘されている。
インファンティーノ会長は「非公開の契約であるため投資元は開示できない」と表明しているが、デンマークサッカー協会会長のイェスパー・モラー氏は「書類を確認したい。過去から学ぶとすれば、適切な方法でやるべきだ」と指摘している。
スケジュール、格差拡大、そして資金の出処。まだ新たな大会の創設前にはハードルが山積みになっているようだ。