最後はFW。ロドリゴ・マチャドとシモーネ・ザザの強力2トップだ。
前者は言わずと知れた「マドリー育ち」で、ティアゴ・アルカンタラ、ラファエル・アルカンタラとは従兄弟にあたるサラブレッド。
レアル・マドリーでは、名手たちを前にポジションを奪えなかったが、ベンフィカでブレイク。2014-15シーズンにやってきたバレンシアでもチームを牽引している。
純正なストライカー型ではないが、左足の技術と体の使い方を活かしたドリブルは「アタック」と「キープ」の両面で相手守備陣を翻弄。サイドに流れてのチャンスメイク、中盤に下りてパスワークに加わるなど、その貢献度は広範囲に及んでいる。
後者は、EURO2016準々決勝のPK戦にて、奇妙なステップからボールをふかし、“戦犯”として非難されたあのイタリア代表FWである。
大バッシングを受けた当時は、恋人にも被害が及び自身もSNS上で謝罪するなど、サッカーどころではなかったが、心機一転スペインの地で覚醒。
昨季途中にユヴェントスからのレンタルで加入すると、シーズン途中ながら20試合で6得点と上々の成績を残して、完全移籍で再加入。
今季は9試合で8得点とゴールラッシュを重ね、得点王争いでもビジャレアルのバカンブと並んで2位。既に二桁に到達している“神”を抜き去ることはできないかもしれないが、エースナンバー「9」としての仕事は十二分に果たしている。
彼のプレイスタイルは極めてパワフルだ。
お世辞にも「上手い」とは言えないが、難しいボールに点で合わせられる能力やマーカーをかわすスマルカメントはイタリア時代から定評あり。また、前線からのチェイシングも厭わない点も監督受けする長所で、バレンシアの戦術にフィットした大きな要因の一つだろう。
この四人が織り成す攻撃は、効率的であり、見応えが十分だ。
さらに、ベンチには、将来性豊かなサンティ・ミナやアンドレアス・ペレイラらも控えており、“新ヒーロー”の登場が期待できる点も見逃せない。
もちろん、「定番の一品」を楽しむのも一興だろう。
だが、今季のラ・リーガは、あえて「旬の一品」をおススメしたい。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ