韓国で開催中のU-20ワールドカップ。決勝戦は、ベネズエラ対イングランドというカードに決定した。
ラウンド16で日本代表を撃破するなど、躍進を見せているベネズエラ代表。“Vinotinto”とのニックネームを持つ彼らを率いるのはフル代表の代表も兼任するラファエル・ドゥダメル氏だ。
現役時代はベネズエラ代表GKとして活躍したドゥダメル氏が、同国の大統領に向けて悲痛な訴えを行った。『eurosport』などが伝えている。
U-20ワールドカップでの躍進とは裏腹に、ベネズエラの国内は混乱状態にある。ニコラス・マドゥロ大統領政権へのデモが始まった4月以降、少なくとも67人が騒乱に巻き込まれ死亡しているという。
犠牲者には政府支持者、野党支持者、通行人、治安部隊のメンバーなども含まれているとのこと。そして、水曜日には多くの若者が国家警備隊と対峙するなかで10代の若者が死亡。政府側は手製の迫撃砲の暴発と発表したというが、野党側は催涙弾が直撃したことで死亡したと反論しているという。
そんななか、ドゥダメル監督はこう大統領に訴えかけたそう。
ラファエル・ドゥダメル(U-20ベネズエラ代表監督)
「大統領、今すぐ武器を捨てましょう。
通りに出ている子供たち(デモの参加者)は、ベネズエラをよりよくしたいだけなのです。“Vinotinto”(代表チームの愛称)の子らと同じように。
今日、我々に喜びを与えてくれたのは17歳の子(ウルグアイ戦で同点弾を決めたソサのこと)でしたが、昨日は17歳の子が命を落としました」
当初この発言はケーブルテレビでのみ伝えられたというが、その後SNSを通じて広く拡散されたという。
ベネズエラは11日(日曜)にイングランドと決勝戦を戦う。