現在、20歳以下の日本代表がFIFA U-20ワールドカップで熱戦を繰り広げている。
初戦の南アフリカ戦では勝利を飾ったものの、第二戦のウルグアイ戦では敗戦。第三戦のイタリア戦で決勝トーナメント進出を委ねることとなったが、可能性は十分あるだけに期待したいところだ。
さて、ユース年代の代表チームを見る上での楽しみはいくつもあるが、その一つが「この中から何名が後にA代表へステップアップを果たすか」であることは間違いない。
今回は、日本の誇る“ゴールデンエイジ”が決勝戦で対峙した相手としても有名な、1999年大会の優勝国、U-20スペイン代表をサンプルケースとしてその可能性を計ってみようかと思う。
はたして、当時の代表メンバーの何人が後にA代表を経験したのだろうか。簡潔にまとめたのが以下だ。
GK:
1.ダニエル・アランスビア
A代表○/1cap
13.イケル・カシージャス
A代表○/167cap
DF:
2.パブロ・コイラ
A代表×
3.ダビド・ベルムード
A代表×
4.フランシスコ・フスエ
A代表×
5.パブロ・オルバイス
A代表○/4cap
18.アルバロ・ルビオ
A代表×
MF:
6.カルロス・マルチェナ
A代表○/69cap
7.ガブリ
A代表○/3cap
8.チャビ・エルナンデス
A代表○/133cap
10.ゴンサーロ・コルサ
A代表×
11.フランシスコ・ジェステ
A代表○/0cap
12.フェルナンド・バレラ
A代表×
16.ホセ・バルケーロ
A代表×
FW:
9.パブロ・コウニャゴ
A代表×
14.アレクス・ロンバルデロ
A代表×
15.ダビド・アガンソ
A代表×
17.ルベン・スアレス
A代表×
上記の通り、この大会で世界王者に輝いたメンバーは総勢18名いるが、後にA代表のキャップを刻んだものは6名で、そのA代表への昇格率は約33%。世界を制したチームでありながら、3人に1人しかステップアップを果たせなかった格好だ。
3人に1人が「1人しか」なのか「1人も」なのかは、考え方によって変るだろうが、階段を駆け上がっていくことがそう簡単ではないことは明確だろう。なお、ジェステについては招集された経験はあるが、出場歴はないので除外としている。
そして、A代表でコンスタントに招集され続けたケースでみると、その厳しさは増す。
カシージャスとチャビの二大巨頭を除けば、順調にキャップを重ねたのは、EURP2008でレギュラーを務めマルチェナのみ。バルセロナで長期間在籍したガブリ、ビルバオの顔として君臨したオルバイスでも数キャップしか数字を伸ばせず、アランスビアに至ってはわずか1試合のみの出場に終わっている。
真の意味で「A代表へのステップアップ」となれば、トップレベルでの活躍をクラブでし続け、さらに代表メンバーとのポジション争いを制する必要があり、そのハードルは極めて高いということだろう。
若き日本代表たちの将来はいかに…。