今、Jリーグで最もホットなアタッカーは誰か。横浜F・マリノスの10番・齋藤学の名前を挙げない訳にはいかないだろう。
事実、マリノスの攻撃の大半は彼のチャンスメイクから生まれており、対戦相手は齋藤のケアを徹底するのが定石となっている。
例えば、第8節の柏レイソル戦。相手の右サイドバック・小池龍太と右サイドハーフ・伊東純也に封殺され、マリノスのエースは何もできなかった。
もちろん、齋藤を完璧に封じた小池の活躍は見事だったが、伊東の献身的な守備も素晴らしかった。齋藤がボールを持った瞬間に猛然とプレスをかける。そこにボランチの大谷秀和とセンターバックの中谷進之介がフォローに入ることで、“齋藤学包囲網”が完成されたのだった。
次節のガンバ大阪戦、第10節のサガン鳥栖戦でもエースは沈黙を強いられた。対峙したオ・ジェソクと小林祐三にカットインを封じられ、決定機を演出することができなかったのだ。結局、この2試合でも得点を奪えず、3試合連続で零封負け。背番号10への依存度の高さが浮き彫りとなった。
今後も各チームで“齋藤学包囲網”が構築されそうな中、どうすれば包囲網を突破できるのか。機能しているとは言い難い攻撃は、どうすれば機能するのか。積年の課題に対する2つのプランを考察してみたい。