今シーズンのベガルタ仙台は、新たなチャレンジに取り組んでいる。3-4-2-1。3バックへのスタイル転換だ。
元来、仙台は4バックをベースとするチーム。手倉森誠氏が率いたチームは、オーソドックスな4-4-2が採用され、隅々まで練られた堅守速攻で躍進を遂げた。一時期アンカーを置く4-3-3にトライしたこともあったが、「仙台といえば4-4-2」というイメージは強い。
現チームを率いる渡邊晋監督は、従来の堅守速攻をリスペクトしながらも、新たな文化の構築に取り組むことを決意した。そのイメージを具現化したのが3バックである。今回のコラムでは、その構造と抱える問題点に迫っていきたい。
攻撃:丁寧なビルドアップからの崩しがコンセプトだが…
上記が今季の基本フォーメーションだ。
最後尾はシュミット・ダニエルまたは関憲太郎。最終ラインは右から大岩一貴、平岡康裕、石川直樹(増嶋竜也)。ボランチは富田晋伍と三田啓貴で、ウイングバックは右に菅井直樹、左に永戸勝也。シャドーに石原直樹と佐々木匠もしくは梁勇基、奥埜博亮。1トップにクリスランまたは石原が入るのが基本形だ。
攻撃時の基本コンセプトは、「最終ラインからの丁寧なビルドアップからの崩し」だ。3バックと両ボランチがボールをつなぎながら全体を押し上げていく。そして、高い位置を取ったウイングバックを使い、中央の3枚が絡んだ厚みのある攻撃が理想形だ。