若手監督エスナイデルの挑戦
今季は開幕7試合で1勝しかできず、コパ・デル・レイでも既にアルコルコンの前に敗退といいところなし。2部で一番初めに解任された監督になってしまった。すぐにジェフ千葉という新天地を見つけたことは彼にとって幸運だっただろう。
エスナイデルには5人もの子供がいる(いた)。自身と同名のフアン・エスナイデルは大学にも進学したインテリフットボーラーで現在はスイスでプレーする。また1995年生まれのフェルナンド・エスナイデルは残念ながら2012年のクリスマスに病気のために17歳の若さで亡くなっている。
UNESCOカップではレアル・マドリーチームとして出場。エドガー・ダーヴィッツやチーロ・フェッラーラと対峙した。
現在、リーガ・エスパニョーラで1990年代に活躍したスター選手が多く監督業を務めている。しかし、その多くはボランチ経験者であり代表格はジョゼップ・グアルディオラやルイス・エンリケであることは言うまでもないだろう。そのほかにもルイス・ミジャ、ルベン・バラハ、フェルナンド・イエロといったメンバーが監督を務めているが、その中でストライカー出身者であるエスナイデルは稀有な存在である。
過去の発言やインタビューを読んでもエスナイデルらしさというようなアイデンティティは感じないのが正直なところだ。ヘタフェの今季序盤のインタビューを見ても「2部では強さのほかに強烈な個性が必要」「経験豊富なカタ・ディアスがキーマン」とありふれたコメントしか残っていない。皮肉好きのイタリア紙などは「ヘタフェの監督に就任したのが元ユヴェントスFWだったって覚えてる?」てな具合でユヴェントスでダメだった過去しか取り上げられていない。
上述の通り、まだ1シーズントップチームを率いた経験はなく、千葉での1年はスナイデルにとっても大きな挑戦になる。決してリーガの大物監督をJ2に呼んだのではない。これは、青年監督エスナイデルが歩む新天地での挑戦なのだ。