『Corriere dello Sport』は、トリノの監督を務めているシニシャ・ミハイロヴィッチ氏のインタビューを掲載した。
ユーゴスラヴィア紛争についての話では、兄弟のように仲良くしていた親友に家を壊されたという告白をしたミハイロヴィッチ氏。
そして、戦争中に迎えた試合で対戦相手のオリヴァー・ビアホフからかけられた言葉が非常に印象的だったというエピソードを明かした。
シニシャ・ミハイロヴィッチ
(選手時代は激しい行動を起こすこともあったね?)
「私がプレーしていたときには、常に『敵』を必要としていた。自分のすべてを注ぎ込むためにね。
ベオグラードが爆撃されていた時、オリヴァー・ビアホフに何もかも言ってやろうと準備していた。
しかし、彼はスマートな男だった。試合の前、彼は私のところに来て言ったんだ。
『国で起こっていることは非常に申し訳なく思っている。ユーゴスラヴィアの人々にあってはならないことだ。私は君とともにあるよ』と。
その後に彼を潰すことはできなかったね。悔しいよ」
(2000年のアーセナル戦では、パトリック・ヴィエラと人種差別的な言葉を言い合った)
「あの事件の後、我々は友人になった。試合中ずっと彼は私のことを『○○なジプシー野郎』と呼んでいた。そして、私は『黒い○○』と呼び返した。
『真実ではない』と弁明することは簡単だった。しかし、それは私の流儀ではない。だからそれを認めたのだ。
問題の侮辱は『○○』の方であって、『黒い』の方じゃないよ。どうして私をジプシーと呼ぶことが人種差別ではないのだ?
なにも変わらないよ。とにかく、我々はその問題を整理した。そして、いつも言っていることだが、このようなことを言うのなら顔を突き合わせて言え。臆病者でなく、男であるならね。
アドリアン・ムトゥ(ルーマニア人であり、ジプシーにルーツを持つとも言われる)は、私がフィオレンティーナに行った時にそれを心配していたけどね。私は自分の失敗だったと話し、謝罪をしたよ」