そうこうしているうちに、メインディッシュが運ばれてきた。ビーフシチューの中にニョッキが入っているものであり、香ばしい香りが食欲を駆り立てる。口に入れるとまろやかなコクが広がり、ニョッキもいい具合にモチモチしている。あまりにも美味過ぎてスプーンが止まることはなかった。
メインを食べ終えて、パリジャンとEUROの話題で盛り上がる。今まで話してきた多くのフランス人は「ベンゼマがいれば優勝は固いんだけど…。ジルーじゃ不安だ」と、普段は意気揚々なフランス人も今回のベンゼマ不出場はトーンダウンしていた。私が「グリーズマンがいるじゃない!」と励ませば、「そうだね!グリーズマンがいるから優勝だね!あと、ポグバもいるね!」と素早く立ち直るから可愛いものである(パリのレストランへ行ったのはまだ決勝前のことである)。話が盛り上がる最中、デザートが置かれた。
デザートの外観からチョコ風味のスポンジケーキに見えたが、スプーンを入れると生チョコであることが分かった。こんなに沢山の生チョコは初めてだと感動しつつ、口に入れれば味覚が歓喜するような感覚を覚える。フランスとベルギーのチョコはヴァローナをはじめとても美味しいと評判だが、この生チョコは格別だった。
これで19ユーロ(およそ2212円)は反則に近いし、有名選手達が舌鼓を打つのもおかしくない。是非、パリに訪れた際は「シャルティエ」に行くことをお勧めする。パリで安く、沢山美味しいフランス料理を食べられる喜びを体感して欲しい。