リーグは登竜門として機能

イングランドやスコットランドのクラブや北欧諸国のクラブは、若手選手達を北欧やアイスランドへ練習参加や短期ローン移籍をさせることがある。それは、アイスランド人の質実剛健な気質を高く評価しているためだ。さらに言えば、行われている育成の質や内容も理由となっている。

アイスランドの指導者の4割(270人)はUEFAライセンスB級を保持し、A級は約80人の合計350人が高いレベルでコーチングをしている。1人あたりのコーチが受け持つ選手数(ユース世代)は大体10人〜12人と少数精鋭であり、丁寧で質の高い指導を受けることができる。

加えて2000年にアイスランド協会のインフラ投資によって、人工芝ピッチの増設や室内サッカー練習場「レイキャネスヘトリン」完成により、真冬でもサッカーができるようになった(それまで、冬季期間は筋トレが中心だった)。アイスランドに渡った有名な選手はラウドルップの子息マッズ・ラウドルップがストヤルナンに所属し、日本からは茂木駿佑(ベガルタ仙台)がヴィークングル・オーラフスヴィークに練習参加した。

代表監督は双頭体制でコーチ育成に努める

2013年にアイスランド代表はラーシュ・ラガーベックとヘイミル・ハルグリムソンの双頭体制に変更された。なぜ、代表監督を2人体制で行っているのか、それは、アイスランド協会の指導者育成プロジェクトにある。

左がラガーベック、右がハルグリムソン

ラガーベックはスウェーデン人の名将であり2000年から2009年までスウェーデン代表監督を務め、2006年のドイツワールドカップではズラタン・イブラヒモヴィッチ、ヘンリク・ラーション、フレドリック・ユングベリらの活躍でベスト16まで勝ち進んだ。

2011年から指揮を執るラガーベックの手腕をアイスランド国内指導者に還元するために、アシスタントコーチだったハルグリムソンを監督に引き上げたのだ。

指導方法をハルグリムソンに学ばせ、それを今後はアイスランド協会主催のコーチング講習会にハルグリムソンを招くことで多くの国内指導者に経験を還元している。この取り組みによって、「アイスランド国内指導者のレベルが向上した」とラガーベックは述べている。

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