“クロップダービー”として注目を集めた14日のELリヴァプール対ドルトムント戦2ndレグ。

二度にわたってドルトムントがリードするもそこからリヴァプールが試合をひっくり返し、EL史に残る大逆転で準決勝に進出した(ゴール動画はこちらから)。

シャルケとのルールダービーに敗れたドルトムントは、逆転でのリーグ優勝が極めて難しい立場に。一方のリヴァプールも来季のCL出場権を手に獲得するにはELでの優勝が現実的であり、この日の試合は両チームにとって負けられない一戦であった。

そうした状況であるにもかかわらず、キックオフ前にELアンセムが流れた際、緊迫しているはずのアンフィールドからは温かい拍手の音が聞こえてきた。

その理由は、両チームのゴール裏のサポーターモザイクで「96」の人文字を作ったからだ。

1989年4月15日に発生した「英国フットボール史上最悪の事故」ヒルズボロの悲劇から今年で27年。

試合が行われたこの日は追悼記念日の1日前であり、試合前にはこの事故で出た犠牲者の数である「96」が人文字で作られたのだ。

実はこの人文字、ドルトムントのサポーターもやっていた。

この試合に際し、ドルトムント側はリヴァプール側に連帯の意思を表明。そういった経緯があり、アウェイのファンもこのようなモザイクを演出したのだ。

この拍手の正体は、アウェイであるにもかかわらず連帯の意思を示してくれたドルトムントに対するリヴァプールファンからのものであったはずだ。

緊迫した試合前であるにもかかわらず、両チームのサポーターが心を通わせた素敵なシーンであった。

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